お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ31)

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事件と過去その9 ページ31

彼女は固まったまま動かない。

モトキ「殺しちゃえば良かったのに」

「な、」

モトキ「君は殺せたはずだ。いつでも、誰でも」

「や、やめろ」

明らかに動揺しているのが見て取れる。

それでも、俺は言葉を続ける。

モトキ「ほら、今だって俺のこと殺せるよ。さっきみたいに首締めちゃえばあっという間にあの世行き。

君がそれをしないのは、

最初からそのつもりがなかったからでしょ？」

「黙れ！私の何が分かんだよ！知ったような口きくな！」

彼女の悲痛な怒鳴り声が部屋中に響く。

でもダメなんだ。ここで止めたら、きっと誰も救われない。

きっとそういうこと。

モトキ「...ただ復讐がしたいだけなら、俺だろうが茜だろうがいつだって殺せたはずだ。もし殺されたのがシルクだったら俺たちフィッシャーズはもうなかっただろうし。
敢えてこんな危険なことをする必要はなかったんだ。

それでも君は、こういう方法をとった。

...それは何故？」

「...そ、れは...」

モトキ「それはね、」

俺は一呼吸置くと、静かに言った。

モトキ「君が君自身の存在を誰かに認めてもらいたかったからだよ」

マサイSide

マサイ「...割れた」

シルクから逆探知の命を受け暫くパソコンを弄っていた俺は、思わず呟いた。

なんか犯罪の匂いがするけど、そこは触れちゃいけない。

『マサイ、場所割れた！？』

マサイ「ん。特定出来たぞ」

ンダホ「ほんと！？し、シルクに連絡！」

ンダホは焦りながらもなんとかシルクに電話をかける。

何コールかした後、無事に繋がった。

ンダホ「あ、シルク！？...うん、うんそう！マサイ分かったって！」

マサイ「ねぇ、スピーカーにしてくんない？w」

ンダホ「え？...あぁ！」

ンダホくん...少し抜けてませんか(お前が言うか)

シルク「“マサイ！ダホから聞いた！場所分かったのか！？”」

マサイ「おう。今Googleマップスクショしたやつ送る。住所とかも書いてある」

『すっげー...マサイ有能すぎる』

マサイ「もっと褒めて」

『さすがマサイ！好き！』

やべー茜に好きって言われちまった。こんな時でも喜んじゃうのか、俺。

シルク「“頼むからイチャつかないで！
ん、送られてきた！...なるほど、ここか。これは車じゃねぇとキツいな...よし、俺ら今からそっち戻るわ！待ってて！」

電話はそのままプツッと音を立てて切れてしまった。

仕方なく、俺たちはシルクたちの帰りを待つことにした。