お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ30)

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事件と過去その8 ページ30

ンダホ「え、でも居場所が分かんないよ」

シルク「さっき電話かかってきたろ。あれモトキのスマホからだったよな。マサイ、さっきの電話からスマホのGPSで場所、特定できるか」

マサイ「...メンバーの無事がかかってるからな。いいぜ、やってみる」

シルク「マサイから連絡来るまで、俺とぺけたんはいそうなとこしらみつぶしに探してみる」

ぺけたん「了解！」

シルクが素早く指示を出していく。

皆、もっきゅんを助けようと必死で、普段よりもさらに安定した団結力が見える。

シルク「ダホと茜はマサイと一緒にいてくれ。1人になると万が一ってこともなくはないから、戦闘になることも頭に入れて体力温存も兼ねて待機」

ンダホ「分かった！」

『OK』

こんな時でも冷静に対処出来るなんてすごい。

私たちのリーダーはやっぱりシルクだな、と実感する。

ダーマ「“俺、元々夜には顔出すつもりだったし、仕事終わり次第すぐそっち行くわ”」

ザカオ「“俺、今東京にいなくてさ。帰るの夜だから、東京着いたらそのままそっち行くよ”」

シルク「おう、お前ら無理はすんなよ。全員、なんかあったら情報共有してこう。

じゃ、行動開始！」

「「「「「「『おう！』」」」」」」

シルクの号令に皆が一斉に動き出す。

救出作戦の開始だ。

モトキSide

昔話を聞かされた。

悲しいおとぎ話のような、目の前の人物の残酷な過去に触れた。

気付いたら泣いていて。

真実「どうして泣くんですか？貴方が悲しむひつよなんてないのに」

分かんねぇよ、そんなの。

でも、ただただ涙が溢れてきて。

それを止める術はなかった。

真実「あ、そうか。口塞がれてますもん、感想すら言えませんよね。待っててください、今外しますから」

そう言うと、ベリッと音を立ててガムテが剥がされた。

ひりひりして痛いはずなのに、今はそんなこともあまり気にならなかった。

モトキ「心が、泣いてる」

「貴方の？」

モトキ「君の。助けてって叫んでる」

「...何を知ったように。知ったかぶりはよせよ」

モトキ「俺ですら分かるくらい、君の心は助けを求めてる」

「やめろ。あいつ側についたお前になんて知ってもらいたくない」

モトキ「じゃあなんで」

掠れた声が出た。

しかし、そんなことどうでもよかった。

目の前の彼女は、確かに苦しんでる。自分の過去を呪っている。

モトキ「じゃあなんで、

殺さないの？」

俺の言葉に、彼女は目を見開いた。