お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ29)

今日:21 hit、昨日:1 hit、合計:78,299 hit

事件と過去その7 ページ29

ダーマ「“...で、結局さ、なんでお前の妹はモトキを誘拐したわけ？そもそもなんでこんな形で俺たちの前に現れたんだ？わざわざアメリカから日本にやって来て自分の姉ちゃんの友だち誘拐するとか行動おかしすぎじゃね？”」

ダーマの質問に、恥ずかしさにのたうち回っていた私は動きを止めた。

...確かにそうだ。お母さんたちからはなんの連絡もなかったし、誘拐する意味もイマイチ分からない。

『うーん...やっぱり私のこと恨んでるとか...真実の犠牲の上に成り立った人生って言っても過言ではないし...』

マサイ「でもお前のこと恨んでるだけだったらモトキは関係なくね？だったらお前が誘拐されてたと思うし」

『それもそうか...なんでもっきゅん...？誘拐する意味は...？』

皆一様に考え始めた。だが、思い当たる節などどこにも...。

待てよ。

『あ』

ザカオ「“なんか閃いた？”」

あった。

記憶の断片、小学生の頃の思い出。

なんで忘れてたんだろう。

『思い出した。小学校は真実が行ってたって言ったよね』

ンダホ「うん」

『真実ね、小学校から帰るといつも学校の話してくれてたんだけど、小3の時に、男の子が転校してきて一目見た瞬間心臓がきゅってなった、って言ってたことがあったよ』

シルク「それって...」

『うん、多分一目惚れ。当時は心臓の病気とかすごい心配したんだけど、今なら察しがつくよね。なんで忘れてたんだろ』

真実の性格上きっと気持ち伝えられなかったんだろうな...。

そう思うと、心が痛んだ。

シルク「なるほどな...。つーことは、お前の妹は初恋の相手がモトキだからモトキを誘拐したってことか...」

『そうなる、かな...。大分ヤンデレ的な方法だけど』

だがしかし、理由は分かっても居場所が分からないんじゃどうにもならない。

もうきっと向こうからコンタクトを取ってくることはないだろう。つまり、こちらから行くしかないということだ。

シルク「...よし」

すると何か思いついたのか、真剣な表情でシルクが立ち上がった。

シルク「...モトキを助けに行く」

シルクから発せられた声はとても低く、しかしはっきりと皆の耳に届いた。