お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ22)

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事件と過去その3 ページ22

こっからオリキャラ出てきます。物語の進路変えに来てやがるこいつ。

「“やっほ～、元気してた？”」

その声を聞いた瞬間、血の気が引いていくのが分かった。

『は、なんで...』

「“茜、久しぶり～。私のこと忘れてないよね？”｣

頭が混乱して仕方がない。

気持ち悪い汗が吹き出し、息が乱れ始める。

忘れるわけがない。

私と同じ声の電話の向こう側の人間、それは...

シルク「茜！！」

混乱した私の耳に、シルクの声が響く。その声に、はっと我に返る。

『あ、シルク...』

シルク「どした？顔、すげぇ真っ青だぞ」

心配そうな皆の顔に覗き込まれる。

『あ、えと、大丈夫...』

シルク「...無理すんじゃねぇぞ」

何かを察したのか、それ以上は追及しないでくれた。今は、それがありがたい。

電話の相手は、そんなことお構いなしに話に割って入ってくる。

「“大丈夫ですか～？話続けさせてもらっても構いません？”」

シルク「...お前、誰だ。茜じゃねぇよな、ここにいるし」

「“あ、その声はシルクさんですね！動画たまに見てます～ええ、茜じゃないですよ。まあ私が誰かなんて茜が一番よく知ってると思いますけどね～”」

ンダホ「茜が一番よく知ってる...？」

シルクの問いを、飄々と上手いこと躱す相手。なおも言葉を続け、とんでもないことを言い出した。

「“はい～私のことは後にでも茜から聞いてくださいね！で、今日お電話かけさせてもらったのはちゃんとした理由があるんですけどぉ～”」

マサイ「...理由？」

「“はい！皆さんのグループ、Fischer'sにモトキさんという方がいらっしゃいますよね？

私、その方を誘拐させていただきました”」

思わぬカミングアウトにここにいるメンバー全員が戦慄する。

真っ先にシルクが吼えた。

シルク「は！？誰だか知んねぇけど適当なこと言うんじゃねぇよ！！」

「“ほぅ...適当と言いますか。では証拠です。電話番号から割り出したメアドに写真を添付しておきました。それを見れば、嘘でないことがわかると思います。

では、お待ちしておりますのでここまでおいでください。どこにいるかは...自分たちで見つけてください。

それでは、また。”」

そう言うと、一方的に切れた。

マサイ「おい！！！...切れやがった」

シルク「なんなんだ今の...」

リビング内が重い空気に包まれる。

私は暫く口を開くことができなかった。