お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ12)

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出会いその6 ページ12

中2の9月半ばくらいだったかな。

俺野球部だったんだけど、9月10月くらいって外であんまり部活できなかったんだよね。

...ほら、台風で。

だからどうしても備品使った練習が無理で、よく廊下で筋トレしたり校内マラソンに時間宛てるしかなかった。

その日も、土砂降りの雨だった。

台風が来るのはあと2日くらい先だってことで早めに帰れるということはなく、いつも通りに廊下で1列に寝そべって腹筋していた。

あ、もちろん他の部も校内マラソンやってたりしたから邪魔にならないようにしてたけどねw

「18...19...20っ...っはぁ、はぁ...しんど...」

当時はかなり痩せてて脂肪より筋肉の方が多かった(と思う)はずの俺でもこなすのがキツいトレーニング。

楽なわけがない。

腹筋、背筋それぞれ20回ずつの後に校内3周×5とかだったからね。今の俺には多分腹筋1回だって厳しいだろうね。

で、俺たちがやってるのは校内じゃん。するとまあいるわけですよ、吹奏楽部が。

他の学校はどうか分からないんだけど、俺たちの中学では吹奏楽部が廊下とか多目的ホールとか中庭とかいろんなところで練習してたんだよね。

その音って割と校内中に聞こえるんだけど、

ｼｬｧｧｧﾝ!!

突然、シンバルみたいなでっかい音がしてその後にズタタンッドタッみたいな音が響き出した。

最初は何事かと思ったんだけど、一つの大きな多目的ホールを通った時にその音の正体が分かった。

「ドラム...」

そう、ドラム叩いてる子がいたんだよね。しかも女の子。

俺の勝手な偏見だけど、ドラムって男子が叩いてるイメージがあったからちょっと意外だった。

...かっこいい...！

それ見てそう思ったんだよね。ドラムもそうだけど、何より大きくて黒塗りのドラムを叩いてる『女の子』に。

すると、俺の視線に気付いたのか、『女の子』が俺に話しかけてきた。

『...ん？野球部さんどした？何かご用？』

「へ？あ、いや...」

『あー...もしかして、見蕩れちゃいました？wなーんて』

「っその...」

『図星！？』

俺が思わず目線を泳がせると、当たったことがびっくりしたのか、大きな声でツッコまれた。

...あれ？思ったより明るい子だ。なんかドラムやってる人ってクールなイメージ(これも偏見)...

『クールじゃなくてすみませんでしたね』

「わっ、聞こえてた？」

『聞こえてた』

これが、俺、ンダホと『女の子』＿＿＿茜との出会い。

ーーー
ドラムの良さを伝えたい。