推しごと！【川村壱馬】 (ページ14)

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推しごと！14（樹side）ページ14

樹side＿＿＿

北人さんちで飲んだ日から2日経った今日は
ランページの皆でリハーサルの日。

俺がきた時にはもう何人か集まっていて、
まだ開始時間まで時間があるから携帯を開いた。

「はぁ、」

恋ってめんどい。

両思いじゃない時ほどなんで盛り上がっちゃうんだろ。

北「なにため息ついてんだよー」

樹「…いろいろあるんすよ」

北「あ、もしかして…」

"恋？"とニヤニヤしながら小声で話してくる北人さん。
この人に好きな人バレたら絶っっ対にめんどくさいと思うからバレたくない。

樹「違いますよ」

北「正直に言ってみ？」

樹「本当に恋してても北人さんには相談しないです」

北「お前ふざけんな」

頭を叩かれそうになったのでぎりぎりで避けた。

2日前のタクシーの中で俺はちゃんと言った。
相手はずっと友達やってるやつ。
俺の気持ちなんて知らずに。

「俺が好きって言ったら？」

『え？なんて？』

「いや…」

『え、なに気になるじゃん』

「…もう家着くねって」

『あーねっ』

結果、聞こえてなくて失敗したけど。
ほんとダサい。

届かない人ほど、本気になってしまう。

壱馬さんとの仲を応援したい気持ちもある。
Aの喜ぶ顔が好きだから。

でも、俺が1番近くにいたい。
俺でいいじゃんって何回思ったことか…

壱馬さんと仲良くなる場を作っといて俺が1番Aのこと分かってるって分からせたかったり。

壱馬さんの連絡先送っといて登録してほしくないって思ったり。

自分が自分じゃないみたいになる。

樹「はぁ、」

北「幸せ逃げるぞー」

何回もため息ついちゃうのも全部Aのせいだ。

陣「始めるでーー」

陣さんの掛け声で皆が集まる。
さ、切り替えよ。