推しごと！【川村壱馬】 (ページ12)

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推しごと！12 ページ12

『じゃあ、私そろそろ帰りますね』

あれからDVDを見終わった頃には夜中の2時を超えようとしていた。

北人さんは缶チューハイ一杯飲み終わったところで眠りに入ってしまった。
さすがに家主が寝てしまうとお暇しないとと思ったけど
私以外の皆さんはいつも通りって顔をしてらっしゃる。

帰ると言い立ち上がると、
皆もお暇しようと立ち上がった。

ゴミをある程度片付けると、自分の荷物を持ち始めた。

壱「ほくさん俺ら帰るで？」

北「…んー」

壱馬さんが起こすと眠たそうに北人さんも立ち上がった。

北「気をつけてね…」

壱「おやすみ北人、ありがとう」

翔「ほくさんお邪魔しましたっっ」

『すみません、お邪魔しました』

北「Aちゃん、泊まってく？」

めちゃくちゃ眠そうにフラフラ立ってるのに
冗談はしっかり忘れない北人さん。

翔「おっとぉ！大スクープ！」

樹「北人さんきもいっすよ」

北「樹ぃ！先輩だぞ！」

やりとりに皆で笑って玄関を出る。

北「またきてね〜」

壱「ありがとう〜」

翔「お邪魔しましたあ」

『おやすみなさい』

樹「お邪魔しましたー」

手を振って北人さん家のドアを閉めた。

北人さん眠そうだったなあ。
あの顔はすぐ寝るだろうなあ。

壱「Aちゃんどうやって帰るん？」

急に壱馬様に名前を呼ばれるとドキッてして息止まっちゃう。

『あ、』

樹「俺タクシーで送ります」

壱「あ、ならよかった」

歩いて帰りますって言おうとしたところでいっちゃんに遮られた。
そんな、わざわざ送らなくても大丈夫なのに。
でもいつも結局いっちゃんの言葉に甘えてる私。

こんな遅い時間に1人で帰るのは危ないして思って、って笑ってる壱馬様。こんな私にそんなお気遣いしてくださるなんて…！

北人さんの家を出る前にタクシーを呼んでたみたいで
外に出るともうタクシーが停まっていた。

壱馬様と翔平は歩いて帰るみたい。

翔「じゃあなー！！」

樹「翔平うるさい、近所迷惑」

壱「おやすみ〜」

『すみません、今日はありがとうございました』

壱「いえいえ、また来てな〜！俺ん家ちゃうけど(笑)」

『はい！』

私に向けて放たれた言葉と、"また"って言葉が
社交辞令って分かってても嬉しすぎて、
言葉が詰まって、"はい！"って返事しかできなかった…

樹「じゃあ、おやすみなさい」

翔「Aまたなー！」

『おやすみ、翔平』