【オリジナル】「先生、消毒して。」

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！)幸野先生side






天「幸野先生」





そう呼ばれて振り返る





「…天谷先生ですか」

天「………」





同僚の天谷秀斗(ｱﾏﾔ ｼｭｳﾄ)





「何か？」

天「いや、忠告をな」

「あぁ」






いつもの事

態々気にかけてくれるようなイイヤツ
だと俺は思っている






天「首にされても知らないよ？」

「大丈夫です」

天「機嫌がいいな」

「まぁ、いい子を見つけたので」

天「…木ノ宮か？」







これは驚いた







「知ってるんですね」

天「…保健室通い､と聞いたことがあってな」

「なるほど」








今年は一人だから
バレる確率も高くなる

そうすれば俺も木ノ宮くんもどうなるか








天「…結局、傷つくのは生徒だ」

「………」

天「相手は…お前が好きなんだからな」

「…そうですね」

天「………」








好き、か




何度も言われた言葉

何度も押し返した言葉

何度も期待した言葉




でも俺はここの"先生"という立場である




何度も失敗して

何度も苦しい思いをして

何度も、失恋して




目の前の泣いている好きな奴にさえ

手を差し伸べることが出来なくて




ただ、ごめんな…と

本音は飲み込むしかなかった








天「お前の気持ちとか分からないが
遊びなら早く止めろよ」

「…あぁ」








最初は遊びだったと思っていても
好きと言われると意識してしまうものだ

その、好きを求めて
俺は今日も…








天「邪魔したな」

「いえ」








ドアが閉まった

少しの孤独感を覚える




こんなこと考えるなんて
らしくないけど

あの純粋な気持ちを
無駄にするのは結構 心が痛むから




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