【APH】libro di storia【短編集】

でっかいどう 【日】 ページ33

今日は特に予定も会議も無く、隣の山田さん家もお孫さんが来たようで笑い声が絶えない日

日「山田さん大変そうですね」

庭を眺めながらお茶をズズズと一息つくと「わん」とぽちくんも分かったような顔で吠えた

日「おや、ぽちくんもそう思いますか」

とぽちくんを膝の方へ寄せ、頭を撫でる





少しして、ドタドタドタと足音が聞こえてくる

お隣さんかなと思ったが次第に音は大きくなり、こちらへ近づいてくるではありませんか

すると後ろの襖が大きな音を立てて開き開けた人物が大きな声で

「菊！いくら丼食べたい!!!」

と…大体何も無い日に限ってAが家へ訪れることはそう珍しくはない

この前も漬物が食べたくなっただ、今流行りの綿菓子が食べたいだのでやってきた



いくら丼が食べたい、
もしかしたら北海道にある、いくらを限界まで乗せてくれる、良くテレビで取り上げられる店のことを言っているのだろうか

日「あの…いくら丼を食べたいそうですが…それは何処のいくら丼で……?」

「もちろんほっ…かいどぅ？に決まってるじゃん！！行こう！今すぐ！！！！！」

やっぱり北海道ね！しってた！！

日「Aさん？北海道はそんなに簡単に行けないんですよ？飛行機乗って電車に乗ってそりゃもう大変で…」

「え！そうなの？！じゃ…アルから自家用ジェット借りてこなきゃ、よし！待っt」日「ストーーーーーップ！！！！！」

さっきまで興奮していたAはぽかんとした


日「いいですか、どうせいくら丼はテレビで見たんでしょうけど、そんなに簡単に行けないんですよ！テレビでやれば食べたいなっていう人も増え、予約しなければ入れなかったりと色々と大変なのですよ！！どうせAさんの事ですから金銭で解決しようとするようですが簡単にはいきませんからね！！！いいですか？大体貴方って人は…」「だって…」日「？」


涙目になりながら「食べたかったんだもん」と言う

日「はぁ…北海道ではないですが、いくら丼くらい作ってあげますよ」

と言うとパッと笑顔が戻り

「菊！好き！！！」

と飛び付いてきた



孫みたいに









「あら、本田さんこんにちは」

日「山田さん、こんにちは。昨日はお孫さんが来たようでね…」

「そうなの、久しぶりだったから騒がしくしてごめんなさいね。ところで本田さんの所も楽しそうでしたね！何だか可愛らしいのが聞こえたものでね」

日「あぁ、聞こえてたのですか。恥ずかしながら孫みたいな者がおりましてね」

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す