◎渡辺くんはいつも不機嫌

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深澤くんはそう言ってくれたけど、電話越しの深澤くんの声もいつもよりちょっと低くて少しドキドキとしてしまった。



『何してたのー？』なんて会話から始まり、本当にくだらない他愛もない会話をしたりして。




深「土曜日、大丈夫そう？」


『あ、うん、大丈夫！』


深「良かったー…断れるかと思ってた、」


『ご、ごめんね？すぐ返信出来なくて』


深「いや、俺が待てなかっただけだから。良かった、楽しみにしてる」


『うん、…わ、たしも』




そんなやり取りに胸の奥がくすぐったくなる。暫くの沈黙の後『じゃあ詳しい事はLINEする』と言った深澤くんにお礼を言って電話を切る。



まだ心臓ドキドキしてるかも。ピンク色のペンで手帳の日付のところに丸なんて付けてみたりして。…あれ、もしかして私浮かれてる？1人で悶々としていたら、手帳に挟んだままの紙切れ2枚が目に入る。



結局この紙について深澤くんも渡辺くんも何も言ってくれなかった。渡辺くんに至っては多分だけど、私が持ってる事知らないんじゃないかな。




『……………』




渡辺くん、何してるんだろ。



何故か渡辺くんの顔が浮かんでしまい、ハッとして頭を横に振る。土曜日何着てくか決めておこう。机に広げていたテキストを閉じて、クローゼットを開けた。






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