◎渡辺くんはいつも不機嫌

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そういえば、深澤くんとそんな話したなぁ。もはや懐かしく感じてしまう。そのくらい時間は刻々と過ぎていた。毎日のように深澤くんからはLINEが来ているが、遊びの誘いは無い。



別に本気にしていたわけじゃないし、深澤くんもきっと忙しいんだろうと思ってたから気にしてはないんだけど。



スマホの画面を下に向けて、ノートにシャーペンを走らせていると、ピコンとLINEの通知を知らせる音が鳴った。




『あ、』




ちょうど、深澤くんの事を考えていたからか。相手は深澤くんからで。




たつや今週の土曜日空いてる?




特に予定は無いが、一応手帳を確認する。『空いてます』となるべく早く返信を返せば、更に早く返事が返ってくる。



『じゃあ、どっか遊びに行こ！』どうしよう、こういう時ってどうやって返せばいいのかな。私は昔からノリが良い方ではないし、同級生の男の子と二人で遊んだりする事だって勿論ない。



…既読付けたら早く返信した方がいいよね。そう思って再びスマホを見ると、トーク画面から通話の画面に切り替わっている事に気が付いた。




『……、も、もしもし…？』


深「もしもーし、辰哉だよー」


『は、はい、』


深「ふふ、ごめんね。突然電話して」


『……ううん、大丈夫、』


深「なんかいつもと違う感じする、声」


『そうかな…？』


深「うん、ずっと聞きたくなる」


『っ、…それ、褒めてる？』


深「ふはっ、超褒めてる」







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