【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

朝は読み聞かせから2 ページ6

それから、私は次々と本を読んでいった。女の子達はお姫様が出てくる本を、男の子達は恐竜が出てくる本や、乗り物が出てくる本など、読み聞かせ出来る本は手当たり次第読んであげる。それが一段落した後、私は1人で本を読んでる子の所へ行き、どんな本を読んでいるのか聞いて回る。細やかな配慮も大切です。


貴方:ちー君、どんな本を読んでるの？

風間:む、実希か。いまはこのほんをよんでいる！

貴方:ちー君…せめて先生はつけてね？どれどれ…。あら、眠り姫読んでるの？ちー君は本当に童話が好きね。

風間:あぁ。こういうほんは、かならずおうじがひめをたすけるだろう？おれも、おうじのようにひめをたすけれるようになりたいからな。これをよんでまなんでいるのだ。


ちー君は得意げに言うとまた本を読み始めた。…童話の世界の王子になるってことは、剣を使って魔王に立ち向かって行く…ってことになるのだけど。そう言う可愛いツッコミは胸の内にしまって、また他の子達のところに行く。今度はトシ君だ。


貴方:トシ君、今日は何読んでるの？

土方:ずかんだ。

貴方:図鑑？あ、植物の図鑑だね！


トシ君が開いてるページには、春の草花とタイトルが書かれており、春に咲く草花の写真と説明書きがされていた。


貴方:いっぱいあるね〜。ここに載ってるのは7つだね。トシ君、全部覚えられた？

土方:…5つまでなら

貴方:5つも覚えたの？凄い！じゃあ今度、お外に行った時に見つけたら先生に教えてね？

土方:ん、分かった。フッ


トシ君はちょっと照れながらも嬉しそうに笑ってくれた。トシ君の笑顔は貴重…！と勝手に喜びながら周りを見た。


沖田:わぁ、おっきいね！

藤堂:このケーキいいなぁ、おれもくいたい！

斎藤:こんどおひるにだしてほしい…

永倉:おいおいお前ら…次のページ進みてぇんだが…。ちょっと、本から手離してくれ…

女園児:さのくん、これいっしょによも！

女園児:さのくん、わたしとよもうよ！

原田:けんかするなって、さんにんでよもうぜ？


雪組3人は相変わらず、左之君も相変わらず…。微笑ましい光景に頬を緩めて、私は永倉先生にその場をお願いして、次にやることの準備を始めることにしました。

………………………………………………………

土方さんの本は、土方さんの俳句「春の草、５つまでなら、覚えけり」から引用して書いてみました。笑

3＋1＝0！？→←朝は読み聞かせから

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す