【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

王冠を作ろう！ ページ22

大成功に終わった運動会が過ぎ、季節は梅雨真っ盛りな6月。外で遊べないこの季節、当然ですが中で遊ぶしかありません。そこで…


貴方:今日は王冠を作ってみよー！

園児:せんせー！どうやってつくるのー？

貴方:今説明するから待ってね。じゃあ皆、まずは班で協力してのりとはさみ、用意してくれるかなー？

園児達:はーい！


園児達が道具を出している間に、私は王冠様の台紙と色紙を配っていく。そして全員が椅子に着席したところで説明スタート。


貴方:まず、王冠って誰がつける物かな？

風間:おうさまがつけるぞ！

女園児:でも、おひめさまもつけてるよー！

原田:それ、ティアラっていうんじゃねーのか？

貴方:左之君よく知ってるね！そう、皆が言う通り王冠は王様やお姫様がつける物だよね。それを、今日は皆が王様やお姫様になった気分で作ってもらいます！

園児:おうさまになれるの⁉

貴方:そうだよ〜。自分がつけたいって思うオリジナル王冠を作ってね！


そう言って私は予め作っておいた見本を取り出す。私がイメージして作ったのはありきたりな丸い宝石をギザギザの部分にペタペタとつけた、至ってシンプルな王冠です。


園児:わー、せんせーのかわいい！

園児:せんせーとおなじのつくるー！

貴方:フフッ、じゃあ皆素敵な王冠を作ってね！

園児達:はーい！


こうして作業が開始された。楽しそうにお喋りしながら色紙を切ったり貼ったりしている。


貴方:色紙が足りなくなったら、他の班の子達が使ってなければもらってねー。ちゃんとお願いしてからもらうのよー。


そう言いながら私はその様子を見ながら、完成した王冠を並べるスペースを作っていた。が、その時。


土方:かざま！おれのむらさきとるなよ！

風間:なにをいっている。きさまのはんはだれもむらさきをつかっていなかったではないか。ならばおれがもらってもよいだろう？

土方:これはおれがつかうんだ！やらねーよ！

貴方:トシ君、ちー君！もう、どうしたの？


慌てて2人に駆け寄って訳を聞く。…何と無く予想出来ているけれど、ちゃんと聞かなくては…。


土方:せんせい、かざまがおれがつかおうとしてたむらさきのいろがみとったんだ！

風間:つかおうとしていなかっただろう。ずっとよこにおいていたではないか。だからもらったのだ。

土方:おれにきょかなくかってにうばったくせに！そーゆーのもらったっていわねーんだよ！

風間:なんだときさま！

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