番外編「ずっと見てるよ」 ページ27
どこまでも続く海。その海についている桟橋に腰掛ける人影が4つ、ゆらゆらと揺らめいていた。
大和:ねぇ和泉さん。僕と千鶴の娘、可愛かったでしょ?しっかりしてて、素直で。オマケに家族思いの優しい子で。
和泉:そうだな。少なくとも、お前のひねくれた性格を受け継いで無くて安心したぜ。良かったなぁ大和?
大和:和泉さん…調子乗ってると張っ倒しますよ…?
そんな会話をしながらお互いを睨みつける2人。そんな2人の仲裁に入ったのは彼等の同僚である上総介だった。
上総介:ちょっと、止めろよ2人共!狭間の世界の海になんか落ちたら大変だろ⁉︎ 大和は魂まで死ぬ覚悟で純礼を助けたんだから、大変なことになることぐらい分かってんだろ⁉︎
大和:純礼は命より大事だけど、別に和泉さんなんてどーでも良いし。てゆーか消えて下さいよ、僕もう刀抜けるし、僕が斬ってあげても良いんですけどね?
ニヤリと黒い笑みを浮かべて脇差に手を当てた大和。それを必死で止める上総介を見ながら、江府住は遠い所を見る目をしながら言った。
江府住:けどまぁ、運命ってのもたまには悪くねぇって思えたかも知れねーな。
上総介:どーゆー意味だよ?
江府住:俺たちの生前は時代の流れに抗えない運命だった。運命とはこうも残酷なもんかと思った。けど、今回純礼を…総司と千鶴の娘と会えた偶然的な運命も、悪くねぇなって思えたってことだよ。
和泉:フッ、確かにな。
元々純礼が狭間の世界に落ちてきてしまうことはあり得なかった。けれど上総介の手違いにより引き込んでしまった。が、そのお陰で大和は生前の記憶を取り戻し、娘と本当の意味で再会が出来たのだ。和泉達も同様に、生前仲間だった者の娘に会えて嬉しかったのだ。
上総介:これからどんな風に生きてくんだろうな…
大和:心配しなくても大丈夫だよ。だって僕と千鶴の娘なんだもん。僕達が望んでいた通り、きっと幸せな人生を歩んでくれる筈だよ。
和泉:まぁ、一応斎藤と新八もいるしな。
江府住:あぁ。ちゃんと守ってくれるだろ、あいつらなら。
狭間の世界の空を見上げてフッと微笑んだ大和。空には笑ってる愛しい妻と娘の顔が浮かんでいるように見えた。
大和:千鶴、純礼。僕はここから、ずっと2人のことを見守っているからね。でもあるべき時が来たら…その時はすぐに会いに行くから。
だから、迎えに行くその日まで。
どうか、幸せでいて…
☆終わり☆
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かりんとう(プロフ) - う、うわぁぁぁ!!!!なんですかこれ!!!こんなの、こんなの泣くしかないじゃないですかあ!!!!検索の奥のページまで見に来てよかった← (2018年11月13日 0時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
お米ちゃん - 最高です!こんなに感動できる作品が書ける作者さんは凄いです(о´∀`о) (2016年10月25日 19時) (レス) id: 7f5cca34a9 (このIDを非表示/違反報告)
薄夜 - とても面白くて、感動しました。私も皆さんと同じく泣きました。小説見て泣いたのは何年ぶりでしょうか。特に、総司の娘ということが良かったです! (2015年9月20日 2時) (レス) id: b881695c4e (このIDを非表示/違反報告)
真由 - すごくよかったです!泣けました。゜(´⊃ω⊂`)゜。 (2015年7月13日 21時) (レス) id: 92a0df771a (このIDを非表示/違反報告)
風花 氷雪(プロフ) - soccer♪さん» はわわ…!そう言って頂けて嬉しいです!読んで下さりありがとうございました!コメントもありがとうございます!励みにさせて頂きます! (2015年2月23日 0時) (レス) id: a823bf8299 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風花 氷雪 | 作成日時:2015年1月16日 20時