真実を知ったとき ページ19
*貴方side*
貴方:あ……あぁ…!!!
加州清光に触れた瞬間、私の脳裏には過去が映し出された。それは、私が小さかった頃の記憶。あの日は、体調が良いと言った父と渋る斎藤さんを無理矢理連れて、散歩に行ったんだ。
そして、私は滑って転んでそのまま川に落ちた。そこで溺れて…。誰かがすぐ飛び込んで来て助けてくれたのは覚えてる。誰かが頭を撫でてくれたことも…。それは全部、お父さんの温もりだった。
貴方:どうして…!なんで、こんな大事なこと…忘れてしまっていたの…⁉︎
藤堂:純礼…
貴方:私が…私が全部奪ってしまったんだ!お母さんの笑顔を、斎藤さんと永倉さんの仲間を、そして…お父さんの命を!私が…私が…!
私はそのまま泣き崩れた。そっと原田さんが背中をさすってくれている。でも、そのことにお礼も言えず、私はただただ泣き続けた。
あの時、私が川に落ちなければ!
あの時、私が川で遊ばなければ!
あの時、私が川で休憩しようとしなければ!
あの時、ちゃんと斎藤さんの言うことを守っていれば!
あの時、私が散歩したいと言わなければ!
あの時、私がお父さんを連れ出さなければ!
そうしていれば…未来は、変わったのだろうか…?お母さんはずっと笑ってくれていたのだろうか…?
貴方:う…ふ…うぅ…
後悔ばかりが押し寄せ、泣いてばかりの私。それからどれぐらい泣き続けただろうか、もう涙が枯れてしまった時、土方さんがこう告げた。
土方:純礼、もうすぐ夜が明ける。お前は夜明け前に現世へ帰らなきゃならねぇ。…名残惜しいかも知れねーが、帰るぞ。
貴方:……はい
出来るなら、このことをお父さんに謝罪したかった。でも、こんなことがあったことをお父さんは知らない。覚えていない。…結局私はお父さんと話すことが出来ぬまま、船着場へと向かった…
46人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「沖田総司」関連の作品
大会会場にて自分にそっくりな女の子と出会った結果【100万ドルの五稜星】
月龍鬼の少女は月に願う〈第一章ノ弐〉〜薄桜鬼〜
私にとって大事な人は───2【100万ドルの五稜星】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かりんとう(プロフ) - う、うわぁぁぁ!!!!なんですかこれ!!!こんなの、こんなの泣くしかないじゃないですかあ!!!!検索の奥のページまで見に来てよかった← (2018年11月13日 0時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
お米ちゃん - 最高です!こんなに感動できる作品が書ける作者さんは凄いです(о´∀`о) (2016年10月25日 19時) (レス) id: 7f5cca34a9 (このIDを非表示/違反報告)
薄夜 - とても面白くて、感動しました。私も皆さんと同じく泣きました。小説見て泣いたのは何年ぶりでしょうか。特に、総司の娘ということが良かったです! (2015年9月20日 2時) (レス) id: b881695c4e (このIDを非表示/違反報告)
真由 - すごくよかったです!泣けました。゜(´⊃ω⊂`)゜。 (2015年7月13日 21時) (レス) id: 92a0df771a (このIDを非表示/違反報告)
風花 氷雪(プロフ) - soccer♪さん» はわわ…!そう言って頂けて嬉しいです!読んで下さりありがとうございました!コメントもありがとうございます!励みにさせて頂きます! (2015年2月23日 0時) (レス) id: a823bf8299 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風花 氷雪 | 作成日時:2015年1月16日 20時