ひかりふる【鬼舞辻無惨】 (ページ44)

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顔が真っ赤、頭は真っ白ページ44

放課後。

終礼の声と同時に、クラスは一気に賑わい出す。

掃除当番はまだのはずだし帰ろう、とスクールバッグを肩に掛けようとしたわたしは無惨さんが迎えに来てくれると言っていた事を思い出す。

……ふと、クラスの空気感が一体化しているかのような雰囲気を感じ取る。

『A!!』

〝ね、あの人めちゃくちゃイケメン…〟

〝うちの教室の廊下前だよね?
え、誰の彼氏!?〟

『A…?』

〝あんなかっこいい先輩いたっけ……〟

〝やべーめっちゃイケメンな先輩おる〟

男女関係無く、その話題の対象に釘付けと言ったような感じがする。

『A、Aってば!!』

「!! 凜音!!」

クラスメイトが皆して何の話題に興じているのかに集中しすぎて、凜音の呼びかけに気づけなかった。

『大丈夫…?またぼーっとしてたけど…体調悪い?』

「ご、ごめん寝不足がまだ……」

『もー、ちゃんと寝た方が良いぞー?

………って!!そんな事より!!!!』

いつになく興奮気味の凜音はわたしと一気に距離を詰めて肩に手を乗せると、廊下の方に視線を促す。

その瞬間、クラスが何の話題で意気投合していたのかが解った。

『見てあのイッッッケメン!?!?
めっっちゃかっっっこよくない!?!?』

言われた通り廊下に視線を移すと、

話題の根源、無惨さんと目が合った。

すると、クラスの視線もその対象であるわたしの方へ集中した。

「……あ、(どどどどどうしよう!?!?!?!?!?)」

どうしようどうしようどうしよう。

顔を真っ赤にしていると、何か打開策を考えるか早いか無惨さんがわたしに向かって歩いてきた。

既に開いている教室のドアの境目にコツ、とローファーの音を響かせると

無「A、帰るぞ」

と、わたしだけに向けるいつもの微笑でそう言った。