ひかりふる【鬼舞辻無惨】 (ページ5)

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無限城ページ5

「…え、」

どういう事？

数秒前までわたし達は、人気のない屋外にいたはず。

なのに、今いるのは見知らぬ屋敷。

？「はは、驚いたろ？」

状況が理解できない。

瞬間移動だなんて、空想の世界だけの話ではなかったのか。

しかも、このお屋敷……不思議な構造をしてる。

今わたしが立ってるのは天井だし、見上げると床がある。

…頭痛がしてきた。

いつもそう、パニックになるとわたしは決まって頭痛を起こす。

「ええと、その…すごいお家なんですね」

？「ん？俺の〝家〟じゃ」

瞬間。

声が途切れると同時に、
目の前にあった彼の顔がーーー〝なくなった〟

その光景を疑いながら、何故か脚がガクガクしてきた。

身体に、力が…入らない。

冷や汗がだらだらと垂れてくる。

怖い。

？？？「…我が物顔で何を飄々としているーーー〝童磨〟。」

声がした上の方角を振り向くと、

そこには、異様な迄の威圧感を発する……

……しかし、何処か儚い、

そんな、見知らぬ男の人がいた。

童「無惨様！申し訳ありませぬ！
然し、俺は優しいので女の子を放っておけなくて…」

(うっ…!?)

目の前でさっき〝なくなった〟はずの彼の頭が造作もなくシュルシュルと再生されてゆく様を目の当たりにして、わたしの頭痛と震えは更にエスカレートする。

？？？「…その娘がどうし…………」

たと言うのだ、と言おうとしたであろう見知らぬ男の人の声は急に詰まり、
あろうことか驚いたようにわたしを見つめ、僅かに眉を上げた。

…その反応にわたしは萎縮してしまった。
なにか気分を害する事をしてしまっただろうか。

？？？「…娘、名を何と言う？」

高圧的な態度で名前を聞かれ、更に萎縮してしまう。

「え、あ…と、
…Aで、す」

そのせいでろくに声も出すことが出来ない。

？？？「…来い」

「え」

直後、

ベン!!

と、琵琶の音が鳴り響く。

咄嗟に振り向いて映った光景は、先程の童磨という男性が「またね！」と手を振ってジェスチャーしている姿だった。