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僕の、はじめての友達 ページ34

生「だから、僕って何をしても弱くて、駄目で……………



…あ」



生和は、気付いたら自らの過去をAに余すことなく打ち明けていた。


生「…ごめんね、長々と話しちゃって
僕、人との距離感とか…わからなくて」



「!……」




驚いた。


わたしよりも、ずっと壮絶な人生だったんだもの。



一目見た時から感じていた彼の陰りや憂いは、


そんな過去があったからこそだったんだ。




「……ごめん」


気付いたら、そんな事を言っていた。


生「え……」



「だって…わたし、わたしよりあなたの方がずっと、ずっと辛い過去を背負ってきたのに、
自分が一番辛いだとか、
自分が可哀想だとか、
そんな事ばっかり思ってた…………!」



わたしは、どれだけ弱かったんだろう。


結局は、可哀想な自分が可愛いだけなんだ。



「辛かったよね、同い歳なのにそんな、そんなの…………


あんまり、過ぎるよ………」




自分の哀れさと、

彼の人生のいきさつに涙が零れてくる。





生「…大丈夫だよ」


「!!」



抱きしめられる感覚。


彼の体温は、とても低いけど


それ以前に、


優しい心から伝わる温かさを感じた。




生「大丈夫
きっと、辛いことがあったんだと思う

けど、こうして優しく話を聞いて同情してくれるAを……


僕が、誰一人として否定なんてさせない」



「……生和、」




壮絶な人生を送ってきたにも関わらずの、

芯の強さ。




あなたはとても強いひとだよ。





生「…ねえ、A」



生和は、少し恥じらってこう言った。




生「僕たちは、もう…


『友達』なのかな?」





わたしは、自信を持ってこう返した。





「…うん!もちろん!!」




ーーー



それから、日も暮れかけた頃。



無限城にて。



鬼舞辻無惨は、Aの帰りがやけに遅い事を心配していた。




無「(………A、道に迷いでもしたのか…?
無事だと良いが)」




ーーー瞬間、最悪の展開が脳内をよぎる。



無「A……ッ!!」


ーーー


無限城、大広間。


下弦の鬼が招集されている。




平伏す鬼達を見下ろす形で威圧感を身に纏って立っているのはーーー




無「ひとつ

黒髪の青い着物の娘を探せ

仮に傷つけようものなら命は無い」



無「ふたつ




【時柱】の首を持って来い」




慈悲も無くそう言い放つ、鬼舞辻無惨。





「「「「「御意」」」」」






鬼達は従順に、無惨の命令を聞くのみである。

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作者名:スイ | 作成日時:2020年1月25日 22時

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