至福 ページ23
翌日。
無惨さんの腕の中で眠ってしまっていた事に気づいたわたしはなんだか急に恥ずかしくなって、
ばっっ!!!!
と顔を上げる。
無「おはよう」
わーーーー…………
無惨さんが一切動じることなく穏やかな微笑みを称えていた。
「あ………お、おはようございます」
緊張のあまり裏返った声になってしまった。
きゃー、恥ずかしい…………
無「久しぶりだな、こうして眠ったのは」
「…?」
無「鬼は基本眠りを必要としないからな」
「そ、そうなんですか…」
眠らなくて良いんだ……
人間からしたら考えられない。
朝が弱いわたしからしたら、余計に。
無「気持ちは落ち着いたか?」
「!!は、はい
昨日はすみませんでした、本当に…」
思い返したら余計恥ずかしくなる。
こんな綺麗な人の前で、幼い子供のように泣き散らかして……
あ、泣き腫らした顔も見せちゃってた…………
無「? 何を謝っているんだ」
「え、何を……?」
無「全部、Aのおかげだ」
「…??」
そう言って無惨さんはどこか嬉しそうに、慈しむような微笑みを向けた。
「その、わたしも……無惨さんのおかげで、色々と。
ありがとう、ございます」
純粋に感謝の意を伝えると、無惨さんは後頭部を撫でてくれた。
無「…そう言えば、A」
「はい?」
無「腹が減っているだろう」
「お腹…………
あっ!!」
すっっっかり忘れてた。
もう1日半くらいなにも食べていない。
それを思い出した途端、腹の虫がみっともなく大きい音を立てた。
「う………………」
やめて……………今すっっっごく恥ずかしい………………
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作者名:スイ | 作成日時:2020年1月25日 22時