誰にも言えない人生抱きしめさせて、 ページ21
…こういう感情の事を、『多幸感』と言うんだっけ?
頑張ってる、もう大丈夫、そばにいるよ。
そんな事を言ってもらえた。
はじめてだ。
わたしは人に依存し易いから、それもあるかもしれない。
否定はしない。
だとしても。
体重を絞っていたから、鬼として食べられることなく無惨さんにこうしてもらえた。
散々な人生を送ってきたから、無惨さんに優しくしてもらえてる。
この前まで『全部無駄だった、消えてしまえばいい』と思っていた事が、
無駄じゃなかったかもしれない、と思えた。
「ありが…とう…
ござ……います……っ!!」
また目の奥がじーんとして、涙が溢れ出る。
もう一度無惨さんの体に顔をうずめると、彼はさっきより強くわたしをぎゅ、としてくれた。
わたしは、彼に対して
お父さんのような、まともに出来たことも無い恋人のような、
そんな感情を抱いてしまった。
……わたし達は、ちょっと似てますね、無惨さん。
それからわたし達は、気付いたら眠りについていた。
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作者名:スイ | 作成日時:2020年1月25日 22時