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過去、 ページ18

家も、勉強も、そんな自分を置いて大人になってゆく周りも、


全部が嫌になって、



わたしはついに学校に行くことから逃げるようになってしまった。






空白の二年半。



自分に何も取り柄が無いという事はもう、わかりきっていた。



なら、せめて。




見た目だけは、外見だけは。





上っ面だけでも、周りより上でいよう。






時間だけは腐る程あったわたしは、自分を極限まで追い込んだ。




と言っても、虚弱体質で運動は苦手だったから、食事制限。



生きるために最低限のものしか食べなくて良い。



「大丈夫 わたしならやれる。」



ーーー


高校生になった。



正直、あまり治安は良くない所だ。



……けど。





『おい、あの子可愛くね?』

『話しかけろよ!笑』

『Aちゃん可愛い!』

『めっちゃ細!モデルさんみたい!』

『メイク教えてー!』




正直、驚いた。



こんなわたしも、日の目を浴びる機会がやって来るなんて。




正直、嫌な気分はしなかった。




少なくとも、自分の努力でそれ程の容姿を手に入れられたのだから。




道行く人に声を掛けられたり、


学校で、何人かに告白されたり。



失われていた自信は、徐々にではあるが戻りつつあった。


ーーー


秋頃。




好きな人ができた。



隣りのクラスの男の子。



彼は近所の幼馴染で、何度か遊んだ事があった。




実は入学式の時から気づいてたんだけど、
ほんとうに数年振りだからお互い話しかけられなかった。





…昔はなんとも思っていなかったのに、不思議だな





わたしは彼に近付きたくて、



今よりずっと可愛くなりたくて、




たくさん、たくさん、努力した。





「今より、ずっと、ずっと、頑張れ、わたしなら出来る、





もう彼しかみえない!!」

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作者名:スイ | 作成日時:2020年1月25日 22時

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