金平糖は砕けない絆である ページ10
コネシマ視点
あのパーティーから三日経った頃、俺は何気なく中庭を散歩していた。ここは彼らの教えてくれた隠れ家とは違い、誰にでも公開されている場所
あちこちに綺麗に手入れをされた花々の植木が立ち並び、太陽を映すような白いベンチには人の姿も窺える
芝生の草丈はかなり短く、歩くたびに少しだけさくさくとした耳に優しい音が鳴る。ゆっくりと日光浴するには最適だと思った
コ「やけど、結局。パーティーについては何も教えてくれんかったなぁ、、」
グルッペンさんやトントンさん、エミさんにロボロさんとはぐらかしそうにない人達へ問いかけたものの、何もなかったの一点張りだった
違和感はある、がそれが何なのかと問われると言い返すことが出来ず、俺は彼らへの質問を断念した
コ「気にするまでもないこと、なんやろか」
それなら仕方ない。そう割り切って、近くの木陰にあったベンチへ腰を下ろした
そよそよと、服の裾を風が緩く吹き抜けていく。ポカポカの太陽と涼しい木陰に眠気を誘われ、うとうとと目蓋が揺らいでしまう
しかし、その眠りは直ぐに失われることになってしまう
?「ちょっと!」
いきなりの大声が庭に響き渡り、俺は思わず肩をビクッと跳ねさせてしまった。声のする方へ視線をやれば、そこにはあのヒロインが立っていた
可愛らしい顔の筈なのに、眉を寄せて目を釣り上げ、両手を腰の辺りに当てて突っ立っている様は悪役のようにも見えた
彼女はツカツカとヒールを履いた足で歩いてくる。俺は慌ててベンチから立ち上がり、形だけではあれど彼女へと礼儀のある挨拶をする
コ「お久しぶりです、ハニーレア嬢。今日は何の御用でしょうか」
実際、三日前に会ったばかりなのだが、、下手に言葉を重ねてはいけない為にお久しぶりだと声をかけた
だが、彼女は顔色を変えない。その怒りに任せたような表情のまま俺の前で立ち止まった
サ「貴方!どうして私の邪魔ばかりするの!?悪役は悪役らしく、私を立てた行動を取りなさいよ!!」
かと思えば大声で怒鳴り散らしてくる。きーんと耳の中に反響する声のせいで上手く聞き取れず、思わず手で耳を覆い隠した
サ「そういう態度も失礼なのよ!?私はヒロインなの!あんたは引き立て役なんだから、私のためだけに働くと誓いなさいよね!!」
彼女は興奮して、俺にそう言い放った
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モトダ(プロフ) - このお話大好きです!すごく展開が気になります!主人公はずっと愛されておくれ〜幸せを祈っておきます!更新頑張って下さい! (2023年4月22日 20時) (レス) @page44 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - すっごく面白かったです!主人公が無自覚なのも良き…!happy endを願っています!更新頑張ってください!(ご自分のペースで大丈夫です) (2022年10月30日 20時) (レス) id: ab6d207954 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 粉雪さん» お返事遅くなり申し訳ありません、、!沢山読み込んでくださって、本当にありがとうございます!期待に応えられますよう、精一杯更新頑張りますのでお付き合いよろしくお願いいたします! (2022年10月30日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - rimu@他力本願寺建設完了!さん» お返事遅れて申し訳ありません、、!そう言っていただけることが何よりの幸せです!少しづつではありますが、まだまだ続きますので是非ご覧になっていってくださいな (2022年10月30日 11時) (レス) @page39 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 投稿お疲れ様です!今回もとても良かったです!内容が良くて何度も読み返しに来ちゃいます。無理せずに更新頑張ってください!! (2022年8月20日 21時) (レス) id: 81a22c2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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