マカロンの涙は許せない3 ページ8
しんぺい神視点
グ「オスマン、ひとらん。コネシマの様子は、、」
会場から歩いて少し。ザワザワとした空気はすっかりと断ち消えていた
グルッペンが扉を軽くノックすれば、中からひとらんが顔を出す
ひ「さっき眠ったところだよ。静かにね」
彼がゆっくりと扉を開ける。そこから見えた中には、ソファの上で目元を赤くしたまま眠るコネシマくんと、彼に寄り添うオスマンだった
オ「時々魘されとるけど、大丈夫そうやで。ただ、傷は大きいかもしれへんわ」
オスマンの手が彼の緩やかな線を描いた頬に触れる。彼はそれに擦り寄るような素振りを見せたものの、目は覚ましそうになかった
ト「なら、そのケアは大先生とぺ神に任せるわ。取り敢えず、今の内にあの女をどうするか決めんとな」
そうトントンの言葉が紡がれた途端、ピリッとした気配たちが蠢き始める
怒りを露わにするゾムやシャオロン、ロボロは彼女が許せないとばかりに憤慨しているようで「追放したらいい」と心無い言葉を放つ
流石にそれは、、と言い淀むグルッペンとトントン。しかし。否定しないということは、彼らも相当な程苛立ちを覚えているようだった
その隙にコネシマくんに近づき、そっと顔色を伺う
白い肌には青味がかかり、時折「ぅ、」と唸るように眉をぎゅっと寄せる様は見ていてとても痛々しい
それでも、薬は順調に効き目を発揮しているようだった
この学園では、生徒会が全て。つまりは、俺たちが正義であり秩序の最高項である
権力の振りかざし?そんなことはどうでもいい。僕たちにはやるべきことがあり、それを守りながら生徒たちの生活も保障するのが役目でもある
そんな僕らが、君に対してここまで権力を行使しようとしているという事実は重たい
ヒロインだから、と努力もなければ学びもしない。立ち位置に胡座をかき、そこが自分の居場所だと過信して疑わないその態度
自分が俺たちに好かれるという結論を見つめ続けている哀れで、滑稽なヒロイン。そう、彼女が自覚するのはいつになることなのか
まあ、僕はコネシマくんのケアに全力を尽くすから。君に手を下せないのは非常に残念なんだよ
でも、仕方ないよね
君より、僕らのお姫様の方が大切なんだから
すぅすぅと穏やかに眠る、彼の瞳が僕らを見ないように。僕はそっと彼の瞼を手で覆い隠した
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モトダ(プロフ) - このお話大好きです!すごく展開が気になります!主人公はずっと愛されておくれ〜幸せを祈っておきます!更新頑張って下さい! (2023年4月22日 20時) (レス) @page44 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - すっごく面白かったです!主人公が無自覚なのも良き…!happy endを願っています!更新頑張ってください!(ご自分のペースで大丈夫です) (2022年10月30日 20時) (レス) id: ab6d207954 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 粉雪さん» お返事遅くなり申し訳ありません、、!沢山読み込んでくださって、本当にありがとうございます!期待に応えられますよう、精一杯更新頑張りますのでお付き合いよろしくお願いいたします! (2022年10月30日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - rimu@他力本願寺建設完了!さん» お返事遅れて申し訳ありません、、!そう言っていただけることが何よりの幸せです!少しづつではありますが、まだまだ続きますので是非ご覧になっていってくださいな (2022年10月30日 11時) (レス) @page39 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 投稿お疲れ様です!今回もとても良かったです!内容が良くて何度も読み返しに来ちゃいます。無理せずに更新頑張ってください!! (2022年8月20日 21時) (レス) id: 81a22c2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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