検索窓
今日:18 hit、昨日:7 hit、合計:52,190 hit

マシュマロは瓶詰めに3 ページ43

コネシマ視点

彼は俺より少しばかり背が高い。自由な制服が許される校風であるにも関わらず、真面目に学校指定の紺色ブレザーに赤いネクタイをきっちりと着用していた

コ「えっと、、、ピースくん、やんな?」

ピ「!うん、そうだよ。コネシマくん、おはよう」

彼は声をかけた俺の方を振り向いた。手入れされた艶のある黒髪は後ろで一括りにされているようで、こちらへ向くときに左へと流れる

そのターコイズのような瞳で俺のことを見つめると、優しく微笑んで挨拶をしてくれた

コ「おはよう。なんか作ってるんか?」

ピ「ああ、これ?これはねぇ」

ピィィィッと耳をつんざくような音と共に、ポットから湯気が吹き出す。彼はさっとそのポットを持ち上げると用意していた真っ白なマグカップにお湯を注いだ

少し高めの位置からカップの中に流れ落ちるお湯と、そのお湯にまとわりつくようにもくもくと視界を白くする湯気の隙間から甘くて食欲をそそる香りが立つ

ピ「もう一つ作るから、こっち飲んでいいよ!」

と、彼はそのカップの持ち手を俺の方に追いやる。そして食器棚の前に立つと扉開け、なにやらもう一つのカップを探しているようだった

そっと持ち上げたマグカップの中には、赤いような、橙色のような不思議な色が並々と注がれている。毒々しい見た目に一瞬手が止まりかけたが、意を決して口に運んだ

コ「ぅわ、、、」

液体が口の中に入った途端、果肉を噛み締めた時のように瑞々しい蜜の味が広がる。それは前世でいう林檎のような、桃のような、そんな味だった

その味が喉と鼻を通り抜けると、次に蜂蜜の濃い甘みが滞在する。けれど砂糖のような独特の甘さではないため、喉に引っかからずお腹の中へ入っていった

この世界の食べ物、飲み物は不思議だ。俺の耳には彼らが口にする果物や野菜なんかの名前が正確に聞き取れない。前世でいうところのきゅうりだとか、トマトだとか、俺の耳にはよくわからない発音と共にその日本語が届くのだ

その代わり、俺が葡萄とか檸檬とかの言葉を口にしても、彼らにはそれがこの世界でそれらに当たるものの名前に聞こえているらしい。だから不便に感じたことはなかった

コ「これ美味いな、、、」

ピ「良かった。これ、うちの特産品なんだよ。たくさん送ってもらったから、よかったらコネシマくんにもあげるよ」

マシュマロは瓶詰めに4→←現時点での騒動について



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (168 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
347人がお気に入り
設定タグ:BL , 二次創作 , wrwrd
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

モトダ(プロフ) - このお話大好きです!すごく展開が気になります!主人公はずっと愛されておくれ〜幸せを祈っておきます!更新頑張って下さい! (2023年4月22日 20時) (レス) @page44 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - すっごく面白かったです!主人公が無自覚なのも良き…!happy endを願っています!更新頑張ってください!(ご自分のペースで大丈夫です) (2022年10月30日 20時) (レス) id: ab6d207954 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 粉雪さん» お返事遅くなり申し訳ありません、、!沢山読み込んでくださって、本当にありがとうございます!期待に応えられますよう、精一杯更新頑張りますのでお付き合いよろしくお願いいたします! (2022年10月30日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - rimu@他力本願寺建設完了!さん» お返事遅れて申し訳ありません、、!そう言っていただけることが何よりの幸せです!少しづつではありますが、まだまだ続きますので是非ご覧になっていってくださいな (2022年10月30日 11時) (レス) @page39 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 投稿お疲れ様です!今回もとても良かったです!内容が良くて何度も読み返しに来ちゃいます。無理せずに更新頑張ってください!! (2022年8月20日 21時) (レス) id: 81a22c2cf4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜華 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年7月17日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。