ドーナツの行く末4 ページ33
コネシマ視点
兄「コネシマ?」
コ「!あ、いや、、なんもあらへん!」
考え込んでいたようで、兄さんから心配されてしまった。なんでもないと首を左右に振れば、兄さんは安心したように口角を少しだけあげた
基本、兄さんは無表情だ。大きく口を開けて笑うことも、思いっきり眉を歪めることも、目を吊り上げて叱ることもない
唯一その表情が変化するのは、原作ではヒロインと共にいる時だけだったと思う
兄「お、今日も音楽が流れとるな」
会場に近づくにつれて窓や照明、バルコニーには色とりどりな花やリボンで豪華な装飾がされているのが見えてくる。いつも固く閉じていて開くことができない両開きの扉は今日は開いたまま、誰でも自由に行き来することができるそうだ
コ「パーティー、なぁ、、」
兄「どうした、不安か?」
コ「まあ、あんまりこういう場所は好きやないから、、、な。それに家の代表て、、似合わんよ」
肩を落とす俺とは対照的に、凛とした佇まいで扉向こうを見据える彼。シャンデリアが放つ白い光が入り込んだ瞳はキラキラと輝きを増していて、艶のある色味が増幅する
手を引かれるまま、そんな彼と煌びやかな会場に足を踏み入れた。かなりの生徒がもう集まっていたようで、あちこちでグループのような塊を見つけることができる
やはり料理やシャンパンなどは端のテーブルに追いやられており、食べることが楽しみな俺としてはちょっぴり悲しかったりする
兄「グラスとか取りに行くんは後やな。前回は出来んかったみたいやけど、今回は多分ダンスも参加するやろうし、食べた後はキツいからな」
コ「そうや、今回はダンスあるんやっけ、、、。全然練習出来とらんわ、、」
兄「あんなことがあったし、しゃーないやろ。エスコートはちゃんとしたるから、安心して身任せてくれ」
俺の肩にポンと手を置き、その後セットした頭が崩れないように優しく撫でられる。それだけで安心してしまうのは彼の人柄のせいだろうか
そんな会話をしていれば、ざわめいていた会場がシンと静まる。会場の最奥、一番高くなっている壇上にて司会者が声を発した
司会「えー、この度は式典へのご参加に感謝申し上げますと共に、この記念すべき良き日に皆様と一堂に会してお祝いできますことを、、」
今回は生徒会の挨拶はないらしく、そのまま長々と挨拶が続く
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モトダ(プロフ) - このお話大好きです!すごく展開が気になります!主人公はずっと愛されておくれ〜幸せを祈っておきます!更新頑張って下さい! (2023年4月22日 20時) (レス) @page44 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - すっごく面白かったです!主人公が無自覚なのも良き…!happy endを願っています!更新頑張ってください!(ご自分のペースで大丈夫です) (2022年10月30日 20時) (レス) id: ab6d207954 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 粉雪さん» お返事遅くなり申し訳ありません、、!沢山読み込んでくださって、本当にありがとうございます!期待に応えられますよう、精一杯更新頑張りますのでお付き合いよろしくお願いいたします! (2022年10月30日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - rimu@他力本願寺建設完了!さん» お返事遅れて申し訳ありません、、!そう言っていただけることが何よりの幸せです!少しづつではありますが、まだまだ続きますので是非ご覧になっていってくださいな (2022年10月30日 11時) (レス) @page39 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 投稿お疲れ様です!今回もとても良かったです!内容が良くて何度も読み返しに来ちゃいます。無理せずに更新頑張ってください!! (2022年8月20日 21時) (レス) id: 81a22c2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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