【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？２【k,n主人公】

ドーナツの行く末３ ページ32

コネシマ視点

昨日は彼らと別れた後、ゆっくりと就寝した。グルッペンとトントンは仕事が残っているから片付けてから寝るそうで、俺がベッドに入る時には居たものの、その後すぐさま部屋を出て行った

朝、肩を揺らされた振動で目を覚ます。そこにはトントンがいて、「おはようさん」と柔らかい笑みを浮かべていた

ぼんやりとしていた頭を回転させながら身支度を整え、簡単な朝食を彼らと食べた後、大先生と授業に参加する


そんな暖かな日々が過ぎ去り、パーティーの日がやってきた。前回と異なりシルクの淡い水色のスーツを身にまとえば、いつもより凛とした印象になる

トントンが商人と話を繋いで受け取ってくれていたブローチを胸元につけて準備を終えると、丁度いい具合に扉がノックされる

兄「コネシマくん、おる？」

コ「おん、おるで兄さん！今準備できたから、開けるで」

扉に手をかけて外に開く。そこには正装をした兄さんが立っていた。深い色味の紫と、襟や袖口に施された銀のラインや細やかな刺繍たちが彼の気品を引き立てている

右耳にはインカムを付けているようで、聞いてみれば生徒会メンバーとのやりとりを簡単にする為だと教えてくれた

白い手袋をした俺の手を、反対色の黒い手袋に包まれた彼の手で掬い上げる。そのまま彼の方に引き寄せられたことで、甘い香水の香りが鼻腔を擽る

兄「今日はよろしくな、コネシマ。気ぃ張りすぎんと、そこそこでええよ」

コ「！こちらこそ、よろしくな！」

彼に笑い返せば、優しく手を引かれて歩き出す。以前と同じホールでの開催だが、前以上の人がいると思うと気が滅入る。でも、兄さんと一緒ならその落ち込んだ気分も少しは元通りになりそうだ

会場に着く前に、少しだけ確認をしておこう

このパーティーは、ゲームでどんな役割を果たしていたか。前のパーティーではヒロインと俺の対立が目的のようだったけれど、今回は？

いや、そもそも

このパーティーはゲームにあった、、、だろうか

最近、やけに記憶が曖昧になる。ここ数日は特にだ

ゲームの内容を忘れた訳ではないと思う。現に次のイベントのことだってしっかりと覚えているし、その対策も頭の中にキチンと用意した

なのに、今から起こるイベントについては何も分からない。俺は確かに数日前から"イベント回避"のために頭を悩ませていたというのに

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