マドレーヌに手を伸ばして2 ページ3
コネシマ視点
人と人が何度も頭を下げながらダンスを楽しむ様子を、俺は壁際に寄ってただ見つめていた
ショッピくんはオスマンさんに呼ばれて席を外し、今は俺一人だけになった
このパーティーは、ヒロインにとって大切なイベント。彼女が動かないなんてことはないと思うが、いかんせんゲームと違う場所が多い
チラリと彼女の姿を確認してみたものの、攻略対象とは一切接点がないようだった
本来の俺ならば、ここで攻略対象と仲良くなるヒロインに嫉妬?嫉み?を持つことになる筈だが、俺は特に攻略対象に対して感情を持っていない
執着もしていないし、彼らの行末にも興味はない
ただ、何事もなくゲームが進み、俺が断罪されなければオッケーなのだ
右手を揺らせば、少しだけ残ったジンジャーエールが金色を鈍らせてたぷたぷと音を立てた
何かを食べようとも思ったのだが、人が集まっているテーブルには寄りたくない。あそこは人が多くて息苦しいから
ランタンの光をドレスや装飾品が反射するホールを、何気なく一瞥する。グルッペンさんやトントンさんは会話を楽しみ、その周りで他の攻略対象たちも駄弁っているようだった
そこに近寄る女性達だが、彼らは気に止めることもないまま話し続けている
コ「よう話しに行けるなぁ、、俺は無理やわ」
くるる、とお腹が軽い音を立てる。残り僅かな飲み物をぐいっと飲み切り、少しだけ何か食べようと人が少ないメインのテーブルに近寄って行く
ガーリックシュリンプやハムとチーズのガレットサンド。アボガドディップと沢山の料理が並んでいた
勿論、そんな手が凝ったものばかりではなく、若鶏のソテーやトマトとバジルのクラッカーなんかも置いてある。その中でふと目を引いたものを手に取ってみた
それは不思議なもので、中に入っているチキンやレタスがお米でサンドされたようなものだった。この世界で初めて見るそれに首を捻った
ひ「それは俺の国の料理でね。ライスサンドって言うんだ。パンじゃなくてお米で挟んだから、ライスサンドなんだよ」
コ「ひとらん!これ、東洋の郷土料理なん?」
真っ白なスーツを見に纏ったひとらんが、後ろから声を掛けてくれる。ライスサンド、名前までそっくりなそれを遠慮なく口に運んで一口食べてみた
コ「ん!これ、美味しいな!」
ひ「でしょ?気に入ってくれてよかった」
347人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モトダ(プロフ) - このお話大好きです!すごく展開が気になります!主人公はずっと愛されておくれ〜幸せを祈っておきます!更新頑張って下さい! (2023年4月22日 20時) (レス) @page44 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - すっごく面白かったです!主人公が無自覚なのも良き…!happy endを願っています!更新頑張ってください!(ご自分のペースで大丈夫です) (2022年10月30日 20時) (レス) id: ab6d207954 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 粉雪さん» お返事遅くなり申し訳ありません、、!沢山読み込んでくださって、本当にありがとうございます!期待に応えられますよう、精一杯更新頑張りますのでお付き合いよろしくお願いいたします! (2022年10月30日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - rimu@他力本願寺建設完了!さん» お返事遅れて申し訳ありません、、!そう言っていただけることが何よりの幸せです!少しづつではありますが、まだまだ続きますので是非ご覧になっていってくださいな (2022年10月30日 11時) (レス) @page39 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 投稿お疲れ様です!今回もとても良かったです!内容が良くて何度も読み返しに来ちゃいます。無理せずに更新頑張ってください!! (2022年8月20日 21時) (レス) id: 81a22c2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ