マドレーヌに手を伸ばして ページ2
ショッピ視点
廊下で出会った時、この人にはスーツというものは似合わないだろうと思っていた
彼のように甘く、優しい顔つきをした人はかっちりと身を固めるような服装は個性を失わせるようなものだと勝手な解釈を持っていた
だか、今。俺はその考えを打ち捨てることになった
目の前で夜空の中、やんわりと微笑む彼をなによりも美しいと感じていたからだった
ショ「開会しますから、一旦中に入りましょうか。その後は人の少ない場所で一緒にグラスでも傾けましょうよ」
コ「！ええな、それ。なら、早速向かうか？」
かなり砕けた話し方が慣れないとばかりに躓きながらも言葉を話す彼の顔は嬉しそうだ。大方、人が多く集まるということだけがネックになっていたのだろう
エスコートするように右手を差し伸べれば、戸惑うような表情を見せる。が、パートナーである俺の頼みなのだからと彼は意を決したように右手を重ねてくれた
砕けた言葉遣いを頼んだのは俺。理由なんて簡単。謙ったような女たちの声に、丁寧な敬語を使う彼の声がかき消されてしまうことを恐れただけ
読みは当たった通り、彼の透き通った声は砕けた途端に聞き取りやすくなった
ショッピくん、ショッピくんと何度も慣れるまで名前を呼び、にこにこと笑みを浮かべている彼を何度部屋に連れて行きたいと思ったことか、、
いや、今は別にいい。兎に角、グルッペンさんたちの意向通りに物事を進めて、彼に被害が及ばないように守ることが俺の使命なのだ
パーティー会場の中はカラフルなスーツとドレスに溢れている。どれもこれも艶のあるいい生地で作られたものばかりだが、俺は彼以上にそれらが似合う人はいないな、なんてことを思っていた
やがてグルッペンさんとトントンさんが壇上に上がる
グ「諸君、いや紳士淑女の方々よ。今宵は学園の仲を深める為の大切な社交会となるだろう。しかし、我々にとってここは戦場ではない」
ト「いつ如何なる時も、学園の名を肩に背負っていることを忘れてはならない。学生として、生徒として、まだ見ぬこれからの生活をここに祈ろう」
その言葉と同時に、皆がシャンパンの入ったグラスを掲げる。俺と彼も例外なくグラスを持ち上げ、そのまま手首をそっと回した
ゆら、ゆら。液体が波たち、ランタンの光を反射して色を変える
グ「ここに、今年の学園の始まりを宣言しよう！」
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モトダ(プロフ) - このお話大好きです！すごく展開が気になります！主人公はずっと愛されておくれ〜幸せを祈っておきます！更新頑張って下さい！ (2023年4月22日 20時) (
レス) @page44 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - すっごく面白かったです！主人公が無自覚なのも良き…！happy endを願っています！更新頑張ってください！(ご自分のペースで大丈夫です) (2022年10月30日 20時) (レス) id: ab6d207954 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 粉雪さん» お返事遅くなり申し訳ありません、、！沢山読み込んでくださって、本当にありがとうございます！期待に応えられますよう、精一杯更新頑張りますのでお付き合いよろしくお願いいたします！ (2022年10月30日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - rimu@他力本願寺建設完了！さん» お返事遅れて申し訳ありません、、！そう言っていただけることが何よりの幸せです！少しづつではありますが、まだまだ続きますので是非ご覧になっていってくださいな (2022年10月30日 11時) (レス) @page39 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪(プロフ) - 投稿お疲れ様です！今回もとても良かったです！内容が良くて何度も読み返しに来ちゃいます。無理せずに更新頑張ってください！！ (2022年8月20日 21時) (レス) id: 81a22c2cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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