62 ちゃんとご飯食えよ ページ27
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『ちょ、は…？なんで？』
鶴房「さっき…はぁ、トレーナーさんが話してるの聞いて…ていうか、お前こそ、なんで勝手に…」
どんだけ走ってきたんだこいつは、って心配になるくらい息切れしながら前屈みになって呼吸を整える鶴房。
ちなみに今の時間は早朝の7時。みんながちょうど起きるくらいの時間、なのかな？知らん。
鶴房「俺に何にも言わず出て行くって正気なん？アホ？」
『いや鶴房も黙って韓国行ったよね？』
鶴房「や、あれはちゃうやん！」
『なにが違うのだろうか』
鶴房「何しに行くねん」
『うーん、まあ…』
鶴房「…！人に言えないような…場所…？」
『新しい仕事の見学じゃボケ！！』
わざわざここにきて笑い狙ってる？見学前に疲れるからやめてくんね？
相変わらずポンコツなこいつに色々言い返していると、鶴房は私の両肩を引き寄せて「…そーゆーの、早く言えや」と珍しく寂しさを含んだ声でそう言った。
キスされたときの事を嫌でも思い出しちゃって、私は思いっきり目を逸らしました、まる。
『…まあ、特に言いふらすことでもないから…』
鶴房「転職するん？今？」
『わからんから見学行ってくる』
鶴房「悪い職場でありますように」
『髪の毛むしっていい？』
鶴房「冗談やから怒んなよ」
そう言っていつもの愛嬌のある笑顔で笑い、「じゃあお守りでこれ貸してやる」と自分のネックレスを外し始めた。
そしてぐるりと私の首に手を回してそれを付ける。
『…マジで？』
鶴房「しゃーないから、少しの間貸してやるわ」
私の首にぶら下がった少しゴツいネックレスが、朝日に反射してギラリと光った。
「僕の方がしおんくんと仲いいですから」といきなり初対面でマウント取ってきた北川くんのことをふと思い出す。これもしかしなくても私めっちゃ北川くんに嫌われる？
『…まあ、とりあえずありがとう』
鶴房「おう、きぃつけてな。ちゃんとご飯食えよ」
『はいはい』
何か言いたげな鶴房はそっと私の前に拳を出してきて、私はそのままゴツンとグータッチをしてタクシーに乗り込んだ。
…根っからのお兄ちゃん気質なんだろうな、こいつ。
タクシーが見えなくなるまで見送る鶴房を見て、私はそんなことをぼんやりと考えていた。
あー超KYなこと言うけど、お腹すいたわあ…
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63 別に寂しいとかじゃないけどさ→←61 タイミングが全部少女漫画な件
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マァ(プロフ) - 久しぶりに読んでも楽しいし泣けました。 (2023年2月24日 11時) (
レス) @page50 id: 72e8f2e0cc (このIDを非表示/違反報告)
雪りんご(プロフ) - こんにちはりんごじゃむさん！日プの新作とか出すつもりあるでしょうか？？すごくみたいです！！ (2020年8月13日 4時) (レス) id: d343e70c28 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - go to the topさん» こんにちは、返信が遅くなってしまい申し訳ありません！転載のお話ですがもちろん可能ですよ！！私の作品が多くの中国JAMの方に読んでもらえることを心から願っています！その際はぜひ名前の記入をお願い致します！ (2020年8月9日 19時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
go to the top - こんにちは、りんごじゃむ先生！翻訳してからLOFTERに転載してもいいですか。中国にもJAMがたくさんので、原作者を明記するのを忘れられない。 (2020年7月10日 16時) (レス) id: d57e1e7b99 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！他の作品も楽しみにしています！ (2020年6月28日 4時) (レス) id: 5f1fa35d0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごじゃむ
| 作成日時：2020年3月30日 18時
