39 ページ42
……本当に意味がわからない。
先刻から吐き続けもう幾度目かもわからないため息をまた吐く。
知らず知らずのうちにロボロさんを傷つけてしまって居たのだろうか。
私の脳裏には彼が向けてきた冷たい視線がまだこびりついている。
『……無能、か』
彼が先程吐き捨てた言葉を反芻し、また胸を痛める。
……私はふと思い立ち、ロボロさんと仲のいいゾムさんの所へ行くことにした。
あわよくば、どうしてロボロさんが怒っているのかを知れるかもしれないと思ったから。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『ゾム、さん……?』
ゾムさんがいると思われる部屋をコンコンとノックする。
……扉の向こうは無言だったが、しばらく叩き続けていると中から彼の声がした。
「……入れや」
……やけに低い声。
嫌な予感がする、私は額に汗を滲ませつつ扉を開けた。
『あ、の……ロボロさん、が』
用件を話そうとわたしが口を開き話し出すと、ゾムさんはすぐに私の声を遮るように言った。
「────あんな、俺お前の声聞きとうないから出てってくれん?」
……それはさっきのロボロさんとなんら変わらない冷たい態度。
私がショックを受けて声すら出せずにいると、彼は畳み掛けるように笑って、言った。
「はよ出てって?聞こえんかった?それとも無能は日本語すら理解できないん?」
……その笑顔は、いつものゾムさんの明るく可愛らしいものではなくて。
冷たく乾いた、張り付いたような笑み。
そして、また向けられた────無能、という言葉。
私はこれ以上耐えられなくて、慌てて部屋を後にした。
治療室に行けば1人になれるだろう、涙を流せるだろう、そう思って。
────しかし、そこには先客がいた。
347人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まこち(プロフ) - 初コメ失礼します、続編!!楽しみにしてます!!!! (2022年1月17日 17時) (レス) @page50 id: 2e33e63444 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - シュネーさん» ひえぇありがとうございます……!!!頑張ります…( ´ω` )/ (2021年9月29日 23時) (レス) id: 822e5c31a6 (このIDを非表示/違反報告)
シュネー(プロフ) - ユノさんおめでとうございます!(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑がんばれー (2021年9月29日 22時) (レス) @page35 id: ee9d47dabc (このIDを非表示/違反報告)
シュネー(プロフ) - 面白かったです!ありがとうございます!(?)ゆっくりでもいいので、楽しみに待ってます! (2021年9月28日 23時) (レス) @page27 id: ee9d47dabc (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 好き……え、設定も文才も言葉選びも何もかもが好き…頑張ってください、応援してます…… (2021年9月28日 7時) (レス) id: 3705531e30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユノ | 作成日時:2021年9月24日 0時