第3話．ドーナツ1個 ページ5
教室に付くと、人懐っこい笑みを浮かべたラギーくんが私に手を振ってきた。
「おはよう、Aちゃん」
「おはよう、ラギーくん」
彼とは2年間同じクラスで、私の秘密…つまり、腐女子バレしている相手でもある。
「あ、そうだ。Aちゃん、怪我はもう平気なんスか？」
「怪我って、昨日の入学式の？」
リドルも心配してくれたし、私の友人は皆優しい人ばかりだなぁ。
「そうそう。昨日運んでる時に気づいたんスけど、おでこにタンコブができてたし」
そう言いながら私の前髪を上げて、じっと私のおでこを見つめるラギーくん。
「わっ、ほんとだ…タンコブ出来てる」
ラギーくんの言葉を聞き、おでこを触ると、確かに少しだけ腫れている。
昨日はずっと寝てたし、今日も前髪で上手く隠れてタンコブの存在に気付いてなかった。
「え、もしかして今気づいたんスか？！」
私の言葉に、ラギーくんも驚きながら手を離していた。
その反動で、私の前髪がおでこにファサッと掛かる。
「あはは…あ、ていうか…今、ラギーくん、運んでる時って言った？」
「え？」
「部屋まで運んでくれたのラギーくんなんだね、ありがとう」
私がお礼を言うと、ラギーくんは一瞬きょとんとしてから、すぐにいつもの人懐っこい笑顔に戻った。
「シシシッ、俺とAちゃんの仲でしょ？お礼はドーナツ1個でいいっスよ」
ラギーくんの言葉に感動しかけたけど、感動の涙は最後の一言でスっと引っ込んだ。
「いや、お礼とるんかい」
「俺たちの仲でしょ？」
「はぁ…まぁ、いっか…」
「やったぁ！毎度あり〜！」
ニコニコと笑うラギーくんを見て、腐バレしたときも、こんな感じだったなぁ…なんて思い出す。
“えっ、なんで泣くんスか？！”
“…え？隠してた？…あーなるほどね”
“そんな泣くようなことじゃないでしょ？
“シシシッ、そんなに泣くと可愛いお顔が台無しっすよ〜？”
“言いふらさない代わりに〜、そのドーナツ1個わけてほしいなぁ”
“はい毎度あり〜！これでもう誰にも言えねぇっスわ〜”
それからも約束通り黙ってくれてるし、態度も変えずに話しかけてくれている。
「ラギーくん、いつもありがとね？」
「え？急にどうしたんスか…？」
突然お礼を言う私を不審そうに見るラギーくんに、何でもないよ、と笑いかけた。
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美月(プロフ) - ゆたんぽさん» コメントありがとうございます！えっ私の方こそ愛してます(？)更新ペースは亀さんですが、これからも頑張ります！ (2020年9月9日 7時) (
レス) id: fbdf093b77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ(プロフ) - いや、ほんとに、控えめに言って愛してます( ・ - ・ )これからも更新頑張ってください！！ (2020年9月6日 22時) (レス) id: f1c9d6d72e (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！これからも気長に更新待っててくれると嬉しいです！笑 (2020年8月23日 17時) (レス) id: fbdf093b77 (このIDを非表示/違反報告)
かこ - すごい面白いです！７更新頑張ってください！これからも楽しみにしてます！ (2020年8月23日 10時) (レス) id: a717fed1b2 (このIDを非表示/違反報告)
茶茶 - 美月さん» はいっ！！！めっちゃ待ってます！！！ (2020年8月21日 12時) (レス) id: 0a249ceab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年8月18日 21時
