9話 書記長の男 ページ31
トントンside
｢トンち、トンち｣
｢ん、どしたん大先生｣
｢…物凄く、申し訳ないと思ってる。本当に、ごめんって思ってる｣
そう言いながら俺の机に分厚い紙の束を置いてきた。思考停止。
｢…嘘やろお前｣
｢…用事、あってん｣
それは嘘ではないようで、今までにない程に申し訳ないという顔をしている。
渋々資料を受け取ればホンマにありがと！と走って生徒会室を出ていった。
さて…と大先生の資料を手に取って見れば、少しは手をつけてあってほんの少しだけ見直したったわ。
｢トン氏、帰らへんのか？｣
｢…｣
｢トン氏？｣
｢…あ、ああすまんグルさん。…大先生の奴やってから帰るわ｣
あまり遅くならんようにってグルさんの言葉を最後に、生徒会室に響くのは紙の擦れる音とペンの音だけ。
終わる頃には、外は完全に暗く肌寒くなっていた。
…てか、今日の見回り俺か…
｢つくづくツいてへんわぁ…｣
腹減ったなぁ、なんて考えながら校舎を回る。どうせ誰もおらんとは思うけど、なんて思うのは疲れてるからやな、うん。
旧校舎の方は灯りがないからランプを片手にそそくさと歩く。
こんな所に長居する気は無いからな。
パサッカランカラン……
誰もおらんはずの校舎のどこかから音が聞こえた…気がする。…近くで。
いや、ここに人がいるわけない。と自分に言い聞かせる。俺は疲れてんねん。
そう思いつつ音の聞こえたと思われる部屋のドアノブを捻った。鍵がかかっとる。
｢…疲れてんねんな……｣
先週、このドアに鍵はかかっとらんかった。
ドアの前で佇んでいたその時、中からバタン！と床に何かが打ち付けられたような音がした。
｢誰かいるんか？｣
中なら返事はない。中でなにか音がしているかと耳をドアに当てた。
かすかに聞こえる浅い呼吸音。
人がおる。
鍵なんか探しとる場合ちゃうかもしれへん。俺はドアを蹴り破った。
｢…っ、リン･パッヘルベル……！｣
一瞬、躊躇った。いや…
この際、誰かなんて関係ないな。ぐったりとしている体を抱き起こした。
｢おい、聞こえるか！リン･パッヘルベル！｣
かすかに呻いた声が聞こえた。ハッキリとした意識はない。体も震えて冷たくなってる。
｢…ペ神も、おらん｣
…しゃあないな。俺はリン･パッヘルベルの体を腕に抱えた。
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こんにちは - 騙されましたほんとにめっちゃびっくりしました (2023年1月9日 0時) (
レス) @page47 id: 01cd7b0a2a (このIDを非表示/違反報告)
Nikotya* - 最後のやつ見事に騙されました(・ω・｀) (2021年8月11日 10時) (レス) id: 19e8c2f272 (このIDを非表示/違反報告)
とぅめぃとぅ - クリーパーとメルヘットとメンツーユはダメですってwwww (2021年5月30日 22時) (レス) id: fb32157b21 (このIDを非表示/違反報告)
木材(もくざい)(プロフ) - 文章の書き方がとても美しいです...感情ののせかたがとても上手で初めのこねしまさんに髪を捕まれるところで夢主に感情移入してしまって思わず涙が出てきました。とても尊敬します...。 (2020年7月12日 17時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
maron(プロフ) - zmさんとsypさんとciさんの名前で笑いすぎて鼻水吹いちゃいました()どうしてくれるんですか() (2020年6月18日 16時) (レス) id: 18f49ca017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年3月28日 10時
