95話 吐いた紫煙は奇跡だった ページ8
｢…俺の中の、レティさんは素敵な人でした。どんな時も笑顔で俺らを迎え入れてくれて…戦場から帰ってきた時も、お疲れ様の一言が疲れ吹き飛ぶくらいに嬉しくて。
たまに射撃場の訓練中に来てくれる時は、凄いよショッピ君…そう褒めてくれた。
…時々、袖を軽く摘まれるんです。歩いてる時とかに、ふと。
嬉しいし、恥ずかしいし…レティさんの顔は少し赤いし。
…そんなの、俺は特別に思われてるって思っちゃうじゃないすか…！
…ふわっとした髪も、大きなピンクの瞳も、林檎みたいに赤い唇も…
全部、レティさんの全て好きでした。
でも…もう……俺は耐えられへんわ｣
涙声のショッピをコネシマ隊長が抱き寄せる。よく言ったと、言葉にはしないものの行動が心情を表していた。
ショッピの話を聞いたレティは、後悔に浸っているようだった。
…遊びなんかしなければ、もっと違う未来だったのに。
そんな顔。今更、遅いんだよ。
…ショッピも大概だけど、1番辛いのはきっと、シャオロン隊長。
既に、この場所にはいなかった。
｢…聞いたでしょ、彼らがどれだけ貴方を好きだったか｣
人の想いを、知ってて無駄にしたんだろ？お前は。
ずっと、いつまでも好きでいてくれるなんて根拠の無いこと過信して。愛されるのが当たり前だって勘違いして。
愛される事は、幸福で、奇跡なんだ。
｢…あんたに何がわかんのよ！私は愛されるお姫様！誰か一人なんて、決められるわけないじゃない…！
選ばれなかった人が可哀想じゃん？なら、みんな平等に愛してくれればいいじゃないのよ！私を好きになって幸せなんでしょ？｣
｢…なら選び放題ってのは、どう説明すんねん｣
ゾム先輩の責める口調にレティがたじろぐ。
｢それ、は……｣
｢…ックッハハ！選び放題なぁ…強欲な女やな、ホンマに｣
どこか様子のおかしいゾム先輩に違和感を感じる。さっきまで不機嫌だったはずなのに、なぜか上機嫌。
｢…どうやら、ゾムは答えにたどり着いたようだな｣
グルッペン様の余裕のある声音からして、この状況を楽しんでいるように思える。答えに辿り着くって…
まだ、何かあるの？
｢選び放題とか言いながら、狙ってる奴おんねんな｣
空気が変わる。
フードを外した先輩が悪い顔をして言う。
｢…お前の本当の目的、俺やんな？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2973人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアすきいああ (10月28日 17時) (
レス) @page13 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
食パン - やばい 今まで長いものは飽きて最後まで見れなかったのにこれはめっちゃ気になって最後まで見れた！！こんな神作作ってくれてありがとうございます！！！ (8月22日 22時) (レス) id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
さむちゃ - 更新ほしいです(泣)時間がかかってでもいいので更新待ってます！(体調には気をつけてください) (8月15日 19時) (レス) @page13 id: 3351acd640 (このIDを非表示/違反報告)
ミーツ - めっちゃ好き…悪女のキチ具合にビビりましたが、所々にあるz.mさんとのイチャイチャが尊い…ﾁ.ﾉさんのもう1人の僕感もいい…もう更新はないのかな…(泣) (2023年3月29日 17時) (レス) @page13 id: 99599f2a1c (このIDを非表示/違反報告)
坪見 - 聖女任命式の⊂n君と95話の最後のζⅿさんが本当にかっこよくて好きです。更新お待ちしております。 (2023年3月17日 1時) (レス) @page8 id: 6aab2ccb93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年10月3日 9時
