不思議な人

不思議な人が25人 ページ31

？？『すみません。その人僕の彼女なんですが。離して頂けませんか？』





後ろからふと、聞き覚えのある声が聞こえた。





『へ』







こいつは...バーボン...？いや。安室透の方が正しいのか...。







男『彼氏持ちかよ...ﾁｯ...。』







あ、逃げた。







...とりあえずお礼しなきゃな。








バーボンにお礼言うのは嫌なんだけどさ。









『助けていただいてありがとうございます！』




軽く笑顔を浮かべる。







その名も『ありりんsmile』









...らしい。




安室『いえいえ、こちらこそすみません。勝手に彼女と言ってしまい...』





眉を8の字にするバーボンは珍しいな。









いつも偉そうなくせに。









なんか、ムカついてきた...。








なんでだろ。











わかんないけど









...からかうか。







『いえ、気にしてませんよ？むしろ嬉しいなぁ...((ﾎﾞｿｯ』







安室『へ』








『それでは！』








私は少し早めにその場から立ち去った。







ﾊﾞｷｯ






勿論




ﾊﾞｷｯ







『発信機と盗聴器は破壊かな。』






...。








悪戯好きなのは昔から変わらないな。









人にはやはり変わらない何かが1つくらいはあるんだな。









『帰ろっと...。』







ーー
ｶﾞﾁｬ


『ただいま。』








ﾊﾞｻｯ







有栖から直ぐにAに戻った。








有栖ではお母さんの声なんて聞きたくない。









ﾋﾟｯ

《...。》





...？








『あれ...壊れた？』









最悪だな。せめてお母さんの声は忘れたくないのに。









人は最初に声を忘れる。









次に顔









最後に思い出。









お兄ちゃんの声もお父さんの声もお姉ちゃんの声も忘れたのに。









『忘れるのが増えるのはやはり怖いな。』









ﾋﾟｯ
《...。》







『せめて、変声術でも習得しとくんだったな。』









そしたら忘れなくて済むのに。









『そろそろ切り替えないと...。』









ローズとして沢山の人を不幸に浸し殺めたんだ。









私には悲しむ権利は、無いと思う。









いくら、周りが許しても私が許せない









『さてと、早めに食べて準備をするとしよう。』









今日は、お兄ちゃんの好物の唐揚げだ。

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