犬＊２３１話＊ ページ42
視界に映る、すっかり全部落ちた砂時計を見て心臓がうるさく鳴り始める。
そんなわけない。そんなこと、あっていいはずがない。
だって私達は、私は、ケイジさんを助ける為にいろんなことを乗り越えて･･･。
ケイジさんが無事だと信じて･･･ここ、まで････。
『っ、砂時計がどうとか･･･くだらない！そんなもの･･･！！』
「ちょっと、A！」
嫌な予感を振り切るようにヒツギに駆け寄った。
きっと大丈夫。ソウさんが間違っているだけ。
ケイジさんがやらかすはずがない。
そう信じてヒツギに触れようとして･･･違和感に気付く。
『･･･何、この音･･･』
ゴオォという音が耳に届く。
そしてそれは････ヒツギから聞こえていた。
･･･････まさか････。
『っ･･･そんな･････そんなわけない！！』
ふとよぎった可能性。
否定したくて、信じたくなくて、咄嗟にヒツギに触れようとした。
『あつっ！』
「A！？どうした！？」
だけどそれは叶わなかった。
ヒツギはかなりの熱を持っていたからだ。
それこそ、安易に触れようとすれば大怪我をしてしまうほどの。
『だ、大丈夫･･･熱くてビックリしただけ』
「本当に大丈夫かよ･･･？赤くなってるぞ」
『ちょっとヒリヒリするだけだから･･･』
「ねえ･･･なんか今、中から声が･･･」
『やめて！！』
ヒナコの言葉を必死に否定する。
『やめてよ･･･そんなわけ･･･そんな、わけ･･･ないでしょ･･･』
「A･･･」
ケイジさんが墓地にいない。シャッターは閉まっていたのに。
なら･･･どこにいるかなんて、答えは一つしかなくて･･･。
でもそんなの、信じたくない。
『っケイジさん！！！』
私は必死でヒツギの蓋を上に持ち上げようとした。
･･･だけど蓋は思った以上に重くて、ビクともしない。
『な、何で･･･何で････？何で開かないの！？』
「A！やめろ！！それ以上やったら火傷じゃすまないぞ！」
『でも･･･！でもこのままじゃケイジさんが･･･！！』
「離れろ、A･･･！！」
『離して！！っ、ケイジさん！ケイジさん！！』
炎が強くなる音と何かが焼ける音が耳にこびりついて離れない。
ケイジさんが苦しんでいるのに、私は何もできない。
私は･･･ケイジさんを、救えない。
どう足掻いたって･･･目の前の出来事は無かったことにならない。
「救いが必要かな･･･？」
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！最高すぎるではないですか！どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね！ (6月17日 17時) (
レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！応援してます！頑張って下さい！！ (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー！！是非とも最後見たいので更新待ってますｯｯ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました！とても面白かったです！更新待ってます！ (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！ (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年8月18日 16時
