犬＊２０６話＊ ページ16
「なぁ、メイプル」
ランマルが真剣な表情で彼女に問いかけた。
「どうしたの？ランマル」
「その優勝ってさ･･･絶対に決められたペアじゃなきゃダメなのか？」
「･･･ランマル･･･？」
「ううん、ペアじゃなくてもできる」
「じゃあ･･･じゃあ、一緒に出たい奴以外を全員殺せば･･･」
「･･！ランマル･･･！」
「優勝できるよ。ランマル、一緒に出たい子、いるの？サラちゃんじゃなくて？」
「････ああ」
どんどんランマルの表情が暗くなっていく。
揺れるその瞳は狂気を映していて。
「何を犠牲にしてでも、あいつだけは･･･Aだけは助けたい･･･。その為なら、俺は･･･！！」
「ランマル！しっかりしろ！！」
ランマルの肩を掴んで揺さぶる。
「何を考えているんだ！そんなこと･･･そんなことしていいわけないだろう･･･！！」
「････サラだって、本当は優勝したいんだろ」
「は･･･？」
ランマルの視線が怖くて、痛くて。
なのにその目から逸らせなくて。
「さっき優勝のこと聞いて笑ってたじゃねぇか。本当はお前も優勝して出たいんだろ･･･？」
「ち、違う･･･私は･･･私はッ！！」
「あれ･･･？」
メイプルがドアを見つめて突然呟いた。
「ドアの前･･･気配がする。もしかして、外でお友達、待ってる？」
「あっ･･･」
彼女の言葉に、ランマルの様子が元に戻る。
食器を片付け始めた彼女に私も我に返った。
だ、ダメだ！このままじゃＩＤカードが･･･！
「･･･サラ、メイプルの背中見ろ」
言われた通り視線を移すと、メイプルの背中にはＩＤカードが刺さっていた。
「抜くなら今しかねぇ･･･！」
「！無理だ･･･！今は気付かれる･･･！」
「何ひよってんだよサラ！見てろ･･･！」
「やめろ･･･！ランマル･･･！」
ランマルがＩＤカードに触れそうになった、その瞬間だった。
メイプルの空気が一変する。
「･･･なに？」
「あっ、いや･･･！」
「･･･何か、悪いこと考えてる？」
「そ、そんなことは･･･！」
まずい、このまま誤魔化せる気がしない･･･！
「チッ･･･！」
ランマルは棚に置かれていた手紙を素早く取った。
この手紙の続きをミドリに書いてもらうからＩＤカードを渡してくれ、と。
しかし。
「触らないで」
「え･･･？」
「ヒヨリくんの手紙、触らないでよ！！」
メイプルはそう怒鳴ると目を真っ赤にさせた。
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！最高すぎるではないですか！どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね！ (6月17日 17時) (
レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！応援してます！頑張って下さい！！ (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー！！是非とも最後見たいので更新待ってますｯｯ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました！とても面白かったです！更新待ってます！ (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！ (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年8月18日 16時
