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Taiga
うっすらと目を開けると、俺を取り囲むようにみんながいた。
右手に温もりを感じて、体を起こすと慎太郎がしっかりと俺の手を握っている。
慎「きょも…!」
その声に反応したみんなが俺の顔を覗き込む。ジェシーが伝えてるはずだから、俺が声が出なくなったことも知ってるはず。
明らかにどんよりとした雰囲気に息がしづらい。
誰も何も聞いてこないのが、SixTONESの不器用な優しさ。
[俺、頑張るから。絶対、治すから。]
顔を伏せていた樹の肩をポンポンと叩いて携帯のメッセージを見せた。樹も泣いていたんだろうか、それでも精一杯の笑顔を見せてくれた。
席を外していた高地が携帯を片手に戻ってきた。
高「とりあえず、今日はここで泊まれって。それと、大我のことが漏れるのだけは避けたいから判断が下るまでは外出禁止。
俺らも部屋用意してもらったから、そろそろ解散しよう。
今日ぐらいはゆっくり休めよ、
そんじゃおやすみ」
立ち去ろうとした高地の腕を咄嗟に掴んでしまった。
腕を掴んだまま、気まずさに耐えかねて布団のシワを手でいじる。
高「ん?どうした?」
俺の顔を覗き込んで、優しいトーンで問いかける高地。
……察せよ、バカ高地!!
この状況で1人にするわけ!?
夜に何かあったらどうするんだよ…!!
あぁ、もうイライラしてきた。
メッセージを打ち込んで樹に見せると、樹は声を出して笑いだした。
[寂しいんだよっ!察せよ!!アホ!バカ!!高地のバーカっ!!]
高「そんな言わなくても……」
樹「あーあ、きょも拗ねちゃった」
くるっと反対側を向いてにやける顔を見せないようにした。……みんなが、いるから俺は笑っていられるんだ。
みんながいるから余計なことを考えなくて済む。こんな時間はそう長くは続かないんだろうけど。
YouTube以来の6人揃っての宿泊。予定になんて全くなかったけど、やっぱり楽しかったんだ。
見え隠れする途方もない絶望と恐怖、
俺は気付かないふりをした。
6人でいるこの時だけは現実を忘れられた。楽しい夢を見ている気分だったよ。
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璃斗(プロフ) - 美桜さん» マイボードにてお返事しましたので拝見いただけると幸いです!! (2021年1月19日 21時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
璃斗(プロフ) - 美桜さん» ご報告ありがとうございます。私自身インスタグラムの方では活動しておりません.......自分の目で確認したいのでもしよろしければマイボード(私のプロフから飛べるはずです…!)の方でアカウント等を教えていただくことは可能でしょうか? (2021年1月18日 10時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 所々変えてありますがほとんど同じ内容の作品を見かけたのでもし盗作だったらと報告させて頂きました。作者さんご本人がアップされている作品でしたら申し訳ありません。 (2021年1月17日 14時) (レス) id: d7589ab1a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - お久しぶりです。作品終了からしばらく経ってしまった後で申し訳ないのですがInstagramの方でもこちらな作品を投稿なさっているのでしょうか?? (2021年1月17日 14時) (レス) id: d7589ab1a0 (このIDを非表示/違反報告)
璃斗(プロフ) - 美華さん» ありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです…!!今後とも、よろしくお願いします(^-^) (2020年5月4日 22時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃斗 | 作成日時:2019年10月13日 12時