16話 習うより慣れろ!~安形side~ ページ17
榛「…はぁ!?だめだろっ、安形!
お前の仕事を押し付けちゃ!!」
安形「いいじゃねーかよ?
アイツ頭いいみてぇーだし、
習うより慣れろ、だからなぁ?」
榛「なぁ?じゃないっ!!
今すぐ可憐ちゃんのところに行って
謝罪しないと…
サーヤちゃん、俺がもらうぞ?」
安形「はぁ゛?おまえ、ふざけんな?
俺の妹に手出すとはいい度胸だなこら!!
表出ろ!!」
榛「いいから可憐ちゃんのところに行ってこい!!」
安形「ちっ!」
あー、めんどくせぇ、
言わなきゃよかった、くそっ。
重い気持ちで俺は、
部室までの廊下をゆっくり歩く。
…つか、アイツもアイツだ。
きっと、もういないだろう…
そんな気持ちで生徒会室の扉を開ける。
ガラガラ…
!?
そこには、数枚の資料の上で
机に伏してる可憐がいた。
安形「おい、可憐?」
あ「………」
安形「…コイツ、まさか…」
ゆっくりと、静かに可憐に近づく。
あ「すぅ………すぅ………」
規則正しい寝息が聞こえた。
安形「…はぁ」
俺はふと、微笑した。
安形「お疲れさん。…さんきゅーな」
…コロン
可憐の右手に持っていたペンが落ち、
可憐はその音に目を覚ました。
あ「………ん。…ふぇ!?
あ、安形会長!?なんで…もう帰ったんじゃ…
………あ!この資料…じ、実はまだ…」
安形「あーっと。それさ、悪かったよ。
それ…俺の仕事なんだわ。
なんつーか、押し付けちまって悪かった。…ごめんな?」
あ「………。」
安形「可憐さん、もしかして…
怒ってらっしゃる?」
あ「…怒らない方がおかしいですよ!!
私、これ初仕事なんですよ!?なのに、
ほとんどのプリントに、“会長宛”って
書いてあるんですからっ!!それにっ」
安形「あーはいはい、悪かったって。
明日、飲み物おごってやっから、
それで許せって、な?」
可憐の剣幕と勢いに、これ以上怒らせれば
椿に怒られてんのと変わらないと思い、
俺は途端に思い付いた方法で釣ってみる。
あ「……忘れないでくださいね?
絶対ですよ?」
…。
釣れた……
安形「あぁ。約束だ。」
そう俺が言い終わると、
可憐はスキップしそうなほど機嫌がよくなり、
あ「お疲れさまでーす♪さようなら♪」
といい、帰っていった。
ほんとに、あの有名な
頭の良い高校から来てるのかと
俺は不思議に思った。
それと同時に…
…コイツが虐待されてたなんて
誰も気付きそうにねぇな。
あの純白の笑顔…
どうして笑ってられるんだ…
そう、思った。
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作者名:可憐 | 作成日時:2014年9月6日 21時