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厳重な実験室に運ばれた私は、そこの主…柳沢誇太郎と機械越しに会話をした。解かれた拘束も実験の際には元通りになる。拒否した場合はあらゆる苦痛が与えられるそうだ。
教え子に裏切られたことも疑問だが、今後のことの方が重要だ。政治的配慮から私の存在は公にせず…この施設で人体実験の材料として処理するようだ。
正直に言うと、死刑台より千倍ラッキーだ。こういう場は必ず脱出のチャンスがやってくるからだ。
その日の夜、夜間の監視役として一人の女がやってきた。
「わぁ、意外。すっごく優しそうな人なんですね!!」
「………でしょう？何もしないから解放してくれませんか？」
「ダメです。もし殺されたら私死んじゃうもの」
これが、雪村あぐりとの出会いだった。
利用価値のありそうな、ただの女。
私にとってはそのくらいの第一印象だった。
ただ、ひとつ気になるのは、ダサいシャツだ。
胃のあたりにプリントされた八分目というシャツは彼女のファッションセンスを疑うものだった。
*****
収監された翌日から、実験は始まった。
「いいかモルモット。今からお前の体は全体的に改造される。実験に協力的なら…一生檻の中だが好きな本くらい読ませてやる。死刑から救ってやった感謝をしろよ」
柳沢は私にモルモットとしての処置を施した。
隙だらけの彼に攻撃を仕掛ける妄想をしたが、脱出のチャンスのためにそれは堪えることにした。
今は耐えよう。意味ある殺しをする瞬間は必ず来る。そう思い、私は目を閉じた。
*****
それから、毎日実験は続けられた。実験が終わると、待っているのはバイタルチェック。これは雪村あぐりの役割だ。
目の前に立つ彼女を見て、私は口を開く。
「相変わらずダサいシャツ着てますね、雪村さん」
「こ、これもダメ？独房生活の清涼剤になればと思ったのに!!」
「正直イラっとします」
彼女にとっては好きなブランドらしいが、周りの評判は悪いらしい。周り、というのは中学教師である彼女の生徒のことだ。教師をやりながら、夜間には無償の手伝いをしているらしい。
なぜそんな激務をするのか聞くと、断るとものすごく角が立つお見合い相手が原因だそうだ。柳沢は彼女のことを道具としか見ていなかったのだ。
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クラスペディア(プロフ) - とても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年11月30日 12時) (
レス) id: 62ecb839ba (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコマメ(プロフ) - とっても面白いです！応援してます！！頑張ってください！！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: e0e3b2ec8d (このIDを非表示/違反報告)
Liar.@旧雪の飴 - めちゃんこ好きです！！！これからも頑張ってください！！ (2019年7月15日 22時) (レス) id: 1ec8cf476f (このIDを非表示/違反報告)
朱桜よろん - こんなに素晴らしい作品を……ありがとうございます……！次に更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年7月1日 18時) (レス) id: 04adea9d04 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - すごく面白くて好きです！更新されるのを毎日楽しみに待っています！ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 14b092647b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜桃 | 作成日時：2019年6月10日 21時
