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突然の茅野カエデの異変に皆は呆然としていた。イトナは触手持ちだったこともあり、触手を生やす尋常ではない辛さを口にした。
そして、三村くんは彼女の印象に "磨瀬榛名" を重ねた。どんな役でも軽々こなした天才子役の名だ。
その日は遅くなってはいけない、という先生の意向で解散することになった。
翌日、私達は律の本体に映し出されるドラマを見ていた。時々見せる磨瀬榛名の演技の表情は茅野カエデに酷似していた。
「殺せんせー。茅野…先生の事人殺しって言ってたよ。なぁ…過去に何があったんだ？」
岡島だけでなく、クラス全員が過去を知りたいと強く望んだ。殺せんせーはそんな私達に話すことを約束した。クラス全員が揃ってから話す、と。
殺せんせーの携帯に届いたメールには彼女から暗殺のお誘いが来ていた。
『今夜7時。椚ヶ丘公園奥のすすき野原まで』
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約束の時間になる前に私は彼女がいた崖を訪れた。
「カエデ」
「Aちゃんか」
どうしたの、優しい言葉には冷たさが纏っていた。
「カエデ…ううん、雪村あかりちゃん。あなたに言っておきたいことがあるの」
"雪村あかり" その名を出すと、動揺したのが読み取れた。
「なんで、あんたが私の名前を知って…」
「知ってるよ、全部。時間が無いから、これだけは言わせて」
私はあかりに近づいて、震える体を抱きしめた。
「あぐりちゃんを助けられなくてごめんなさい。苦しませてごめんなさい。どうかお願い、復讐に身を滅ぼさないで。触手に精神を持ってかれてはだめ。殺せんせーの無実を信じて」
「ど…ゆ…こと…？」
「ごめんね…本当に、ごめんね…」
それだけ言い残して、私はその場から走り去った。言ってしまいたかった。事の経緯を、始まりを。そうすれば、カエデは解放されるから。でも、それでも根付いた触手の憎悪は消えない。私一人じゃなんにもできない。助けてあげられない。
主人公じゃなきゃ、殺せんせーじゃなきゃ、あの子を助けてあげられないんだ。
山を出て少しした路地裏で私は声を押し殺して泣いた。誰にも見つからないように、ただただ自分の弱さを憎んだ。
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クラスペディア(プロフ) - とても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年11月30日 12時) (
レス) id: 62ecb839ba (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコマメ(プロフ) - とっても面白いです！応援してます！！頑張ってください！！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: e0e3b2ec8d (このIDを非表示/違反報告)
Liar.@旧雪の飴 - めちゃんこ好きです！！！これからも頑張ってください！！ (2019年7月15日 22時) (レス) id: 1ec8cf476f (このIDを非表示/違反報告)
朱桜よろん - こんなに素晴らしい作品を……ありがとうございます……！次に更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年7月1日 18時) (レス) id: 04adea9d04 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - すごく面白くて好きです！更新されるのを毎日楽しみに待っています！ (2019年7月1日 17時) (レス) id: 14b092647b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜桃 | 作成日時：2019年6月10日 21時
