思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

19話 ページ21

「お、お願いしますAさん！！
俺、合宿に参加できなくなっちゃいますよ〜！！
その後の練習にも…！！」


『いや、宿題やればよくね？』


「できないからいってるんですよ！！
俺ができるわけ無いでしょ！！」


『いやそんな自信満々で言われても…』



夜久さんは、「だから何回も言っただろーが！！」と
思い切り拳を叩き込んでいた。

うーん、困った。

私はまじでこの夏休み、勉強もゲームも両立したい。
灰羽くんには可愛そうだが、断るしか…



『ご、ごめんなさい…』


「そ、そんなぁ！！
研磨さん！研磨さんからもなんとか言ってやってくださいよぉお！」



えっ、と隅っこで巻き込まれないように
体育座りをしていた孤爪くんが震える。

いやぁ、なんというか…

灰羽くんが勉強すれば済む話なんだけどなぁ…




「…俺、関係ない」


「お、お願いします研磨さん！！
宿題終わったら、研磨さんに部活のあとトス頼むのやめますから！！」



その一言で、ビクッ、となった孤爪くん。
じ、っと灰羽くんを睨んで、

とことこ、と私のもとへやってくる。



「…やってくれたら、
この前クリアした、面白いゲーム貸してあげる」


『…えっ』


「…もうどこの店舗にも置いてないやつ」


『やります、やらせてください』



ゲームの事には目がない。
夏休みの貴重な時間、貴重なゲーム。

天秤にかけて勝るのはやはりゲームだ。

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