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幸せの裏には ページ48

混乱する俺に織田さんが少し笑う。

「俺の子供じゃない。今回の抗争で親を亡くした子たちだ。その子たちと遊んでほしい」

「そういうことですか。良いですよ」

元々子供は好きだった為に俺は笑って了承した。
織田さんに連れられて子供たちのいる部屋に入る。
其処には五人の子供たちが居た。
俺は子供たちと目線を合わせて微笑む。

「こんにちは。俺は織田さんの友達の桐崎A。十六歳。皆と遊びたいんだけど名前と年を教えてくれるかな?」

すると一番大きい少年が元気よく言う。

「俺は幸介、七歳だ!宜しくなAにいちゃん!」

するとそれに続くように元気よく他の子供たちも自己紹介をしていく。

「俺は克巳!六歳だ!よろしくAにいちゃん」

「俺は優です。五歳です。よろしくお願いしますAお兄さん」

「ぼ、ぼくはしんじです。さ、さんさいです」

「わたしさくら!にさいだよ。よろしくAにぃ」

皆可愛らしく見ていて笑みが自然と浮かんだ。

「幸介君に克巳君。優君と真司君と咲楽ちゃんだね。よし、早速遊ぼうか!」

「「「「「やったー!」」」」」

嬉しい声をあげる子供たちに纏わりつかれながら咲楽ちゃんを抱き上げて肩に乗せる。
すると楽しげな声できゃっきゃっとはしゃぐ。

「おにいちゃんたかーい!」

「だろ!いっぱい見渡せるか?」

「うん!いっぱいみわたせる!」

「ずるいよさくら。ぼ、ぼくもAにいちゃん」

手を伸ばす真司に笑って抱き上げた。

「肩に二人は乗せられないから真司は此方な」

「うん、でもたかい!」

片手で肩に乗る咲楽ちゃんを落ちないようにしながらもう片方の手で真司君を支えてだっこする。
すると不服そうな顔をした三人が言う。

「ずるいよさくらたち。Aお兄さんも俺たちともあそんでよ」

「そうだぞ!ふこーへーだ!」

「Aにいちゃん!他にも遊んでよ!」

そう上から順に優君、幸介君、克巳君が抗議して引っ張られる。
俺はそれに苦笑する。

「順番な。時間はまだあんだから」

その日から定期的に俺は子供たちと遊ぶために来るようになった。
その毎日は楽しく、幸せで、充実した日々だった。
忘れることなく、色褪せる事がない程に。
俺はあの時が訪れるまで忘れていたのだ。




幸せの裏には不幸が待ち受けていることを。

何て、残酷で、何て、優しい言葉→←預かり知らない所


【桐崎君にとっての周りの印象】

乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。


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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那戯田沢 亜須 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月19日 20時

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