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死んで……… ページ41

右目からとめどなく流れる血を手で押さえながらフラフラと路地を歩く。

「痛くは無いけど……血が足りないな……」

ぼんやりとした意識のままどうにか道を間違えず元々闇医者としていた時に拠点にしていた家に着く。
靴を適当に脱ぎ散らかして部屋に入り鏡を見ながら目から銃弾を取り出す。
その途端塞き止められていた血が更に流れ出す。
そんな様子を無表情に見詰めながら消毒した鉄を熱して傷口を焼いて塞いでいく。

「………痛くないから恐くないな……」

感覚が自分でも麻痺している事をそう実感しながら包帯を取り出して右目を隠すように巻いていく。

「…太宰みたい」

そして自分の姿を見て皮肉な笑みを浮かべて呟いた。
右目を包帯の上から触るとやはりあるべき筈の目は無くて空洞があって包帯がたわむ感触がした。
なのに痛みが感じないのに俺は笑った。

「はは、化物じゃんか俺……はは、ははは」

じわりと視界が歪んだ。
顔を覆いうつむいた。

「う……ぁ…」

嗚咽がほんの少し漏れた瞬間溢れ出てくる感情が押さえきれ無くなって俺は慟哭した。

「うぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

声は止まらなかった。

止められなかった。

仲間を失ったから。

居場所を失ったから。




もう普通の人間じゃなくなってしまった事実が悲しかったから。




俺はこの日、久しぶりに心の底から死にたいと願った。

暫くして叫び疲れてその場に寝転ぶ。
窓からは既に月明かりが差し始めていた。
ぼんやりと窓から覗く次に右手を伸ばす。
右目が無くなったせいで完全に見えない右手を左目で捉えながら呟く。

「俺は……何のために……この異能を……持ってんだろ…な…?」

掠れた声でそう尋ねても答えは返って来なかった。
薄暗い部屋に一人感情の抜け落ちた声が響く。

「死んで………しまいたい……」

答えなど出ないのならば。

一生この呪いを持ち続けなければならないのなら。

つうっと涙が頬を伝う。

「誰か………助けて……俺を……殺して」

何処までも青い空→←大嫌いだ


【桐崎君にとっての周りの印象】

乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。


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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那戯田沢 亜須 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月19日 20時

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