検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:4,433 hit

第七話/姫鶴一文字 ページ5

破邪の御太刀が話し出す10分位前からの話。

大広間に入るのにほんの少し
億劫になり柱に寄り掛かって
眉をひそめていると、
いつの間にか雨が降りだしていたようで
雨特有の湿った匂いが鼻をくすぐる。

それもまあ...と思って居ると
バシャバシャと駆ける音がした後
ドシャッと崩れ落ちた音がした。

外に目を向けると
片方の鼻緒が切れて下駄が脱げかけた、
羽織も着ていない顔が赤くなった長篠が居た。

コルセットベルトを緩め着物を出し
雨避けにするように長篠の元へ向かい、
自分と着物の間に入れるように背負い
長篠の部屋へ行き一時的に内番服に
着替えさせて汚れた所をタオルで拭き
ドライヤーで髪を乾かした。

6.7分経った頃熱がまだ高いままでは
あるが落ち着いたのか長篠が目を覚ました。
「嗚呼起きたね。熱は大丈夫かい?頭痛は?
 一応内番服に着替えさせてるよ。
 羽織はちゃんと回収してるからね。」

「うう、まだボーッとする。頭痛はそこそこ。
 回収ありがとうね。
 ...いつもの朝じゃないんだなぁ。((ボソリ」

「僕はそろそろ大広間行くんだけど行く?
 まぁ僕も大体見当着いてるけどその調子だと
 やっぱり良い事では無さそうだね。」

大広間に行く事を告げると体調が悪いのとは
別に少し顔をしかめていたがこう言った。

「行く。体調は悪いけど、見届けたい。
 嫌だけど、嫌だけどさぁ。」

そう。と返答し
長篠に合わせて少しゆっくり行き
大広間に行く頃には
破邪の御太刀を除き揃っていた。

自分達が最後だった且つ長篠の体調不良もあり
角付近に座り、目を瞑ってて良いよと言って
来るのを待っていたら直ぐに現れた。
まぁ思い通りの事を言われた。
刀解になると言うのは予想外だったが。

破邪の御太刀は死にたければ部屋に、
生きたければ残れと言った。

静まり返った部屋の中、
僕はスッと手を上げこう言った。
「僕は乗るから。そもそも実装や顕現の差は
 あれど、敵が現れてこちらにに協力しろと
 言ってきたのは向こう(人間達)でしょ?
 それなのに役目が終わった途端刀解ねぇ。」

上げてなかった方の手を無意識に
強く握りしめていた。

「例え同じ結末だとしてもせめて一言位
 言ってやらないと気がすまないと思わない?
 僕無意味なさよならなんて好きじゃない。」


「で、他の人は?どうするんだい?」

第八話/長篠一文字→←第五話/長篠一文字



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.8/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤黒 柚子見(プロフ) - セレーネーさん» 長くコメント残してしまったかもと思いましたのでパスワード記載のコメントは削除させて頂きました。もしまた知りたい場合はもう一度お願いします。 (2020年6月7日 14時) (レス) id: 06134be286 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー - パスワードは何ですか? (2020年5月24日 21時) (レス) id: 449f884b9a (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー - 1回目の更新します! (2020年5月24日 19時) (レス) id: 449f884b9a (このIDを非表示/違反報告)
蒼の火(プロフ) - 3回目やります (2020年4月20日 17時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 次、2回目やります (2020年4月20日 16時) (レス) id: 3003a1c972 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者 x他4人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年3月8日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。