今日は、少し肌寒いですね。 _登坂広臣

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乱暴に応答マークを押してでる。





「...なに」





『え、どうしたの？怒ってんの？』





「怒ってない！」





『しかもなんでそんな涙声なの？』





「...亜嵐のバカ。」





泣いてたことをいとも簡単に亜嵐に見透かされ少し腹が立ってプチッと電話を切る。




すると数秒後にすぐ電話がかかってきた。





「...んもぅ！なによ！」





『切んなよ！...今、姉ちゃん家で飯食べてんだけどくる？』





「...なんで、亜嵐いんの。亜嵐帰ってよ。」





またブチッと切って大きめのコートを羽織りスマホと財布を持って家を出た。





私の家から目的地までそう遠くないのでイヤホンで「糸」を聴きながら歩いた。





私の横を通り過ぎるのはカップル、高校生、会社帰りの人。





みんな口をパクパクさせてニコニコしながら喋っている。





みんな悩みなんてなさそうな屈託のない笑顔で。





みんなそれぞれに悩みは抱えているんだろうけど、私のよりは楽なんだろうな〜。と考えてしまう。





そんなことを考えてしまう私はやっぱり弱虫だった。

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