第24話 ページ25
Aside
『……』
外を知りたいと、思っていた。また自由に、外に出たいと。
だけどその願いが叶った今、心はとても、虚しかった。
そんな時、ガチャリと金属の音がして、屋上の扉が開いていくのに、僕は僅かに身構えた。
｢＿＿Aくん？｣
『！英智くん…』
不運か幸運か、僕を探しにきた人ではなかった。
緊張が解けた僕は息を吐いて、彼の元へ歩み寄った。
｢どうしてここに…あの部屋から出られたのかい？｣
『…ううん』
｢それじゃあ、どうして？｣
『それは…』
僕は真っ直ぐに英智くんを見ていられなくて、ほんの少しだけ視線を逸らして口を開く。
透き通るような彼の瞳を前に、僕は何一つとして、誤魔化すことが出来なかった。
*
｢…そう。君は"知った"んだね、僕のことを｣
『……』
知った。知ってしまった。彼がみんなの、五奇人の敵だって。
それでも彼を嫌いになどなれない自分がいることも、僕はわかっていた。
『…君は僕に何を求めているの？』
｢……｣
『君が僕に優しくしてくれるのはどうして？君の革命に、僕が必要だから？』
最後に手のひらをひっくり返すくらいなら、優しくなんて、しないで欲しい。
英智くんは蒼い瞳を見開いてじっと考え込んでいたけれど
少しの間を置いて、彼は遠慮がちに、僕の手にそっと触れた。
『…っ』
初めて会った時、彼の頬に触れた時と同じひんやりとした感触に、思わず肩が揺れた。
｢…僕は何も望まないよ。この革命は、君のためなんだ｣
『僕の…？』
｢僕が、そして君が輝ける日を迎えるための、革命。
…ただ、君のことが大好きなだけなんだ。
僕は君がいてくれるだけで…、君が傍にいてくれるのなら、僕はそれ以外何も要らないんだよ｣
彼の言葉が何かの魔法みたいに心に溶け込んで、こちらを見つめる綺麗な瞳が、僕を揺さぶる。
あぁ、僕は何故、彼を疑ったんだろう。
出会ってからずっと、ずっと英智くんは隣にいてくれたのに。
そんな思いが言葉にすらならず、体の中から込み上げては涙になって、零れ落ちてしまう。
英智くんはまるで宝石を愛でるかのように、溢れる涙を指で掬いながら絶えず僕を見つめている。
｢ふふ、君は案外泣き虫なんだね｣
『っ、ごめん…ごめんね英智くん、僕は、』
｢謝らないで。また涙が溢れてしまうよ。
どんな君も、僕は好きだけれど…笑っている方がずっと、素敵だもの｣
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英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - 待ってます!!! (2017年6月8日 7時) (
レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！目処が立ちしだい載せさせていただきますので、お待ちください,,,! (2017年6月7日 21時) (レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - また新しく小説を作るなら余ったページでお知らせをしてください!すぐに見に行きます!!! (2017年6月6日 23時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴さん» ご指摘ありがとうございます…!直してきました、本当に有難いです。すみませんでした (2017年5月30日 20時) (レス) id: f51b0c6802 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - 18話の零さんの台詞の「妙なことは言わないことを願うけどよ」が「妙なことは言わないとことを願うけどよ」なってますよ〜! (2017年5月30日 20時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年5月25日 19時
