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雲間がここのつ ページ9
朝起きると家族はみんな揃っていた
おはようと声をかけて食卓につけば母に具合が悪いのかと問われる
恐らく昨日珍しく早めに就寝したことから風邪でも引いたのかと思ったのだろう
大丈夫だと伝えれば、視線をやりながらも一先ず納得したようだった
支度を終え家を出れば昨日に引き続きどんよりとした空…
と、黒い傘を持った先輩がいた
おはようさん。
え、あー、おはようございます。
どうしたんですか？
いや、まぁなんだ。あれだよ、早く目が覚めたから。
そう言いつつも今にも閉じそうな目を見るに昨日のことを心配してのことだろうか
本当にこの人は…
とりあえず雨に降られるのは嫌だったのですぐに歩き出す
歩いている最中もまたいつも通り、どこから持ってくるのか聞きたいくらいに沢山の話題を振ってくる先輩
だがその目はどこか、自分から目を離さないようにしているようにもみえた
蒸し蒸しとしている畦道を抜け駄菓子屋の前を通ると、そこには貼り紙があった
なんだこれ？
いや、貼り紙じゃないですか。
そんなの見りゃわかるだろ！！
内容を見てみると、どうやら駄菓子屋のおばさんが怪我をしたらしく少しの間お店を休むことにしたらしい
心配ですね。
そうだな。おばちゃん大事ないといいけどな。
そうですね。お店が開いたらまた行きましょうか。
またAの奢りか？
はぁ？今度は先輩に決まってるでしょ。
少し暗めの雨雲を背にまた学校へと向かっていった
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作者名：あげのり | 作成日時：2022年5月21日 20時
