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雲間がはたちあまりよっつ ページ24
家に帰ると部屋の奥からすごい速さで足音が迫ってくる
扉が開いたと同時に出てきたのは妹だった
お兄ちゃん!!!
滅多に見せない不安そうな表情で飛びついてきた
…飛びついてきた
いっでぇぇ!!
ああああ!
ごめん!!!
なにやってるのよ!
痛みで悲鳴をあげていた体はさらに追い打ちをかけられ叫びを上げ始めた
泣きそうな顔で謝る妹は母に叱られ今にも涙が溢れそうだった
…ただいま。
そう言って妹の頭を撫でてやれば涙をこぼす妹と母
いやなんで母も泣いてんねん
そんなことより玄関で泣くな、家入れと告げ、近所から向けられる刺さるような目線から逃げた
夜、帰ってきた父に再度小言を言われた
どれだけ心配をかけたか、先輩に迷惑をかけたか、みっちり叩き込まれた
そして妹にも、増水していなくてもあの川には近づくなと警告をして自分と妹の頭を撫でた
その暖かさは安心と力強さと優しさが伝わってきた
この日、自分は大切にされてたんだと改めて実感した
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作者名:あげのり | 作成日時:2022年5月21日 20時