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雲間がとおあまりいつつ ページ15
辺りが暗い
いや、暗いというか開けない
音がこもる
いや、こもるというより聞き取れない
息が苦しい
いや、苦しいというか…
息ができない
人間の本能なのか目はきつく結び、息を止めることには成功した
ただし耳に関しては何もできず只々土砂混じりの水を迎え入れている
ああ、自分はあの増水した川に落ちたんだ。
パニックになっていた頭が少しずつ冷静さを取り戻してくると、自分の状況がわかってくる
手足はぶつけたのか少しジンジンし、もがいて上がろうとしても泥酔が重く思うように動かない
あ、これ…ダメだ。
堪えていた呼吸も酸素が足りないのか限界
意外と頭は落ち着いてきていたのか、死ぬのってこんな感じなんだって冷静に考えていた
瞼から僅かに拾えていた光ももう遠くなってきた
苦しさから解放された…
そんな軽さを最後に感じた
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作者名:あげのり | 作成日時:2022年5月21日 20時