【刀剣乱舞】その捌き、三名槍の彼の如く【蜻蛉切】 (ページ23)

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桜の花弁22枚ページ23

私たちはそのまま、昔の話をしていた。

しばらく経って、話す出来事も無くなり、私は秋風が棚引く空に人差し指をかざした。

貴「蜻蛉切、こうやってすると、指に蜻蛉が止まる。と聞いたことがあるのですが、本当に来るのでしょうか？」

蜻「そうだな.....私にはわからない。何せ、蜻蛉を両断してしまったことがあるからな。」

貴「そうですか？まだわかりませんよ？あ、ほら。」

話しているうちに、私の人差し指に大きな赤蜻蛉がとまった。

蜻「大きな赤蜻蛉だ。縁起がいい。」

貴「そうですね。それに、この蜻蛉、蜻蛉切に似てる。」

蜻「そうか？....そう言われれば、そうなのかもしれんな。」

貴「ッ！？....はい。」

蜻蛉切がふいに優しく笑ったので、私は言葉につまった。

貴「とっ、とにかく！その身体では内番はおろか、立ち回ることも難しいはずです。今度は、私が蜻蛉切のお世話をする番ですよ！」

蜻「そんな、Aに迷惑をかけるようなことは....」

貴「迷惑なんかじゃありません。私もお世話されていた身ですから。」

蜻「....では、是非ともそうしてもらいたい。」

貴「ええ、宜しくお願いしますね。」

私たちは、それからずっと、月が昇る頃まで、共に過ごした。